リサーチプロジェクト
研究報告会レポート

第12回サービス・マネジメント研究報告会レポート「消費に代わるモノ、コト — パタゴニア Worn Wear から学ぶ —」

第12回サービス・マネジメント研究報告会(リアル・オンライン併用開催) > 研究会の詳細はこちら
テーマ:消費に代わるモノ、コト — パタゴニア Worn Wear から学ぶ —
報告者:平田 健夫(パタゴニア日本支社 サーキュラリティ・ディレクター)
    向井 光太郎(関西学院大学 ハンズオン・ラーニングセンター 准教授)
日 程:2024年3月19日(火)19:30-21:00
場 所:パタゴニア丸の内ストアおよびZoomによるオンライン開催
 
【報告会レポート】
第1部 ストーリー・テリング形式の取組紹介
講演の様子 平田氏より、Worn Wearの取り組みを中心にしてパタゴニア製品のリペア・リユースによる製品寿命の延長や製品寿命の尽きた製品の再製品化を紹介していただきました。このプロジェクトは、自社製品のリペア・リユースをサービス化してきたものですが、この2年の間に自社オンリーのイベントやキャラバン・ツアーにとどまらず、同業他社や親和性のあるブランドとのコラボレーションも実施してきており、業界や関連業界でのリペア・リユースへの展開に至るコミュニティを形成しつつあることも紹介されました。
 
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第2部 リング・ディスカッション
 参加者からの質疑を中心にして、Worn Wearに取り組むことでサービス・マーケティングにどのような示唆または新しい理論構築に寄与するか、考えるべきポイントを出し合う機会としました。「KGIやKPIを設定した上でのプロジェクトであるのか」といったビジネス・パフォーマンス評価の観点での質疑や、消費者が「長く使いたい」と思う仕掛けをどのようなアプローチで実施しているのか、また、リユース・プロダクトの販売活動についてなど、多岐にわたる質問が相次ぎました。近年のSDGsへの意識を強く持たれる参加者も多く、パタゴニア製品のリユース・リペアのケーススタディにとどまらず、参加者が所属する企業でも採用して導入できる仕掛けではないかとの意見もあり、サービスを購入、享受する「消費者」という位置付けではない、ライフスタイルの中での製品の「採用者」という位置付けも考えられるのではないかとの見解も提言されました。リユース・リペアというアクションが、そこに直接は関与しない別の市民のライフスタイルやアクションにもポジティブな影響を与えることから、これまでのコンタクト・ポイントとはちがう、単一のサービスを超えるコンタクト・ポイントの存在もあるのではといった議論も生まれ、サービス・トライアングルに代わるフレームワークの検討や研究の可能性も認識する機会となりました。
 
(文責:関西学院大学 / サービス・マネジメント研究会リーダー 向井 光太郎)

 
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