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研究報告会レポート

第7回サステナブル・マーケティング研究報告会レポート「プラスチック問題をマーケティング視点で考える」

第7回サステナブル・マーケティング研究報告会(オンライン) > 研究会の詳細はこちら
 
テーマ:プラスチック問題をマーケティング視点で考える
 
報告者(以下、敬称略):
松永 有理(三井化学株式会社 グリーンケミカル事業推進室 ビジネス・ディベロップメントグループリーダー)
青木 茂樹(駒澤大学 経営学部 市場戦略学科 教授 / サステナブル・ブランド国際会議 アカデミックプロデューサー)
北村 暢康(サントリーホールディングス株式会社 サステナビリティ経営推進本部 サステナビリティ推進部長)
富山 恵梨香(ハーチ欧州 IDEAS FOR GOOD副編集長)
秋山 翔(Casley Deep Innovations株式会社 事業開発部 事業開発担当)
中村 優花(株式会社メンバーズ 脱炭素DX研究所)
ファシリテーター:
原 裕(株式会社メンバーズ 執行役員)
 
日 程:2024年3月6日(水)16:30-18:00
場 所:Zoomによるオンライン開催
 
【報告会概要】
 観測史上最も暑い夏と言われた2023年。地球温暖化はもはや地球沸騰化と言われ、世界各国に加え、グローバル企業を中心に、2050年の脱炭素社会に向けた動きをより加速化している。そして、日本政府が2030年までに、バイオマスプラスチックの約200万トンの導入を目標に掲げている通り、脱炭素社会を目指すうえで、欠かせない取組みの一つに、化石燃料由来のプラスチックを減らすことが挙げられる。
 一方で、プラスチックを使用しないという選択は非常に困難であり、プラスチックを減らしたり素材転換が求められたりするが、そのためには企業の取組みに加え、生活者との共感・共創が必須となる。今まさにマーケティングのあり方にも変革が求められている。
 そこで、今回は「プラスチック問題」を題材にし、サステナブル・マーケティングの在り方を模索すべく、研究報告会を実施した。本研究報告会は、化学素材メーカー三井化学株式会社をゲストに迎え、プラスチックが気候変動問題に与える影響やバイオマスプラスチックの導入や循環経済の取組みに関して話題提供を頂き、後半のトークセッションでは、アカデミシャンに加え、ブランドオーナー企業、メディア、脱炭素支援企業など多面的な視点から、プラスチック問題をマーケティングの視点からひも解いた。
 
【報告会レポート】
1:サステナブル・マーケティング研究会紹介
 青木 茂樹(駒澤大学)

 冒頭でサステナブル・マーケティングの定義や立ち上げの意義や目的、これまでの活用内容などを伝える。
 

 
2:サステナブル・、マーケティング研究会 今年度の活動報告
 秋山 翔(Casley Deep Innovations株式会社)

 2023年度の活動報告(秋のカンファレンスでの報告内容、研究会構成メンバーでのディスカッション内容など)を伝える。
 

 
3:プラスチック問題の現状やその解決策
 松永 有理(三井化学)

 プラスチック問題は、大きく気候変動問題とプラスチックごみ問題の2つが挙げられるが、三井化学が行う解決策として、脱プラから改プラ(素材転換)を推進していることを紹介。日本政府によるバイオマスプラスチックの導入計画(2030年に200万トン)を進めるためには、素材から変えることが求められ、バイオマスプラスチックの転換にはマスバランス方式が有効し対策の一つであることを紹介。
 

 
4:プラスチック問題解決に向けたマーケティング戦略
 北村 暢康(サントリーホールディングス株式会社)

 サントリーでは、循環型かつ脱炭素社会への変革に向けてプラスチック基本方針を策定。2030年までにリサイクル素材及びサステナブル素材比率、100%に転換するという目標を掲げていることを紹介。実行するプロモーションやコミュニケーション施策を紹介。
 

 
5:欧州のプラスチック規制やコミュニケーション事例紹介
 富山 恵梨香(ハーチ欧州)

 EU各国一律で、2025年までにプラ包材のマテリアルリサイクル率50%、2030年までに55%達成が目標として掲げられていることを紹介。オランダやドイツ、フランスなどのプラスチック規制に伴う青果物の包装禁止、デポジット制度などの先進事例や、修理可能性指数やエコラベルなど、商品・サービスに対する消費者向けたサステナブル情報の可視化が進んでいることを紹介。
 

 
6:パネルディスカッション
 上記、青木 茂樹、秋山 翔、松永 有理、北村 暢康、富山 恵梨香に加え、中村 優花(メンバーズ)が加わり、原 裕(メンバーズ)がファシリテーターを務めパネルディスカッションを行い、プラスチック問題をマーケティング視点で解決するための具体的な施策について議論。消費者の意識改革の必要性や、企業の取り組み、政策支援など、様々な視点から意見交換を行う。
 

 
所感
 本研究報告会では、プラスチック問題の深刻さを改めて認識するとともに、マーケティングの視点からプラスチック問題解決に向けた取り組みを考えることの重要性を学ぶことができた。プラスチック問題は、単なる環境問題ではなく、社会全体に関わる問題であり、企業は、プラスチック問題をマーケティング課題として捉え、消費者の意識改革、商品開発、コミュニケーション戦略など、様々な取り組みを進めていくことが求められることを改めて認識した。

 
(文責:萩谷 衞厚)

 
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