第11回アート・イン・ビジネス研究報告会レポート「AIとアート思考」 |
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テーマ:AIとアート思考
- アート思考チャットボットを用いた内発的動機付けの向上
報告者:上原 拓真 氏・髙橋 健二 氏・伊藤 愛永 氏(東京都立産業技術大学院 越水PBL) - 報告者と参加者によるディスカッション
司会・ファシリテーター:大西 浩志(慶應義塾大学ビジネススクール)
日 程:2024年4月25日(木)17:30-19:00
場 所:Zoomによるオンライン開催
【報告会レポート】
第11回アート・イン・ビジネス研究報告会をオンラインで開催し、20名ほどの方々にご参加いただきました。本研究会は、これまでアート・マネジメントやアート・マーケティングといった領域で蓄積されてきた知見と実際のビジネスとの懸け橋となる研究を目的としております。今回は、近年注目されているアート思考を生成AIによる対話式エージェントによって促進させる研究を行っている東京都立産業技術大学院大学の越水教授の研究室の方々より、アート思考AIの作成と実証研究の結果と成果についてご紹介いただき、参加者によるディスカッションを行いました。
上原氏による報告の様子
上原氏より、モチベーションに影響を与える因子として環境・ルールなど外発的なものに対して、本人に内在する問題意識・興味関心による内発的な動機付けを「アート思考」ワークショプ研修によって促進できるものの、対面講義で少人数で長期の取り組みとなり受講者拡大に課題が示されました。その対応方法の一つとして、通常は対面にて実施するアート思考の研修プログラムを対話型生成AIのChatGPTを活用し擬似的にWEB上にて実現したアート思考チャットボットを利用した実験の結果を紹介いただきました。また、その効果を評価したところ、暫定的な結果として、対面研修が全体的な項目で改善効果があるのに対して、アート思考チャットボットでは特に想像力に関連する項目に効果があることが分かりました。さらに、アート思考チャットボットは長期利用で受講者が飽きてしまい利用率が低下してしまう課題があることから、音声入力が可能なAPI連携による独自WEBアプリも開発中とのことでした。
後半のディスカッションでは、対面研修とアート思考チャットボットによる効果の違いに関する意見交換やタイパ志向のつよい若年層にアート思考を学んで身に着けてもらうにはアート思考チャットボットをどのように改善することができるかなど広範囲な議論が交わされました。
越水研究室の皆さんは、引き続きシステム開発と効果検証の研究を行い、学会発表や論文にて公開を予定されているとのことで、さらなる成果が期待できます。今回の報告が、実際にビジネスに関わっていらっしゃる学会員の方々にとってお役に立てれば幸いです。
参加者の皆様ありがとうございました。
(報告書作成:プロジェクトリーダー 大西 浩志)