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研究報告会レポート

第12回マーケティング・ツールとしての知的財産研究報告会レポート「横河電機が取り組む『マーケティング×知財』の考え方と挑戦」

第12回マーケティング・ツールとしての知的財産研究報告会(オンライン) > 研究会の詳細はこちら
 
テーマ:横河電機が取り組む「マーケティング×知財」の考え方と挑戦
報告者:田中 伸生 氏(横河電機株式会社 マーケティング本部 知的財産・デザインセンター センター長 / 弁理士)
    杉光 一成(プロジェクトリーダー)
日 程:2025年1月15日(水)19:00-20:30
場 所:Zoomによるオンライン開催
 
【報告会レポート】
 今回は「横河電機が取り組む『マーケティング×知財』の考え方と挑戦」と題し、田中伸生氏(横河電機株式会社 マーケティング本部 知的財産・デザインセンター長)より、同社におけるマーケティングと知財活動の統合的な取り組みについてご発表いただきました。
 

 
 田中氏はこれまでに米国駐在や特許売買、訴訟対応、知財アライアンスの設立など幅広い知財業務に携わっており、現在はYOKOGAWAグループ全体の知財活動を指揮しています。そのご経験に基づき、「マーケティング×知財」といえる具体的な事例や今後の展望についてご紹介いただきました。
 まず、横河電機の成り立ちの話として、創業者の横河民輔氏はもともと建築家であり、建築家としての活動を出発点としつつ、当時の社会ニーズに基づき、いわば電気計器メーカーの横河電機が創立された点をご紹介いただきました。
 次に、田中氏の考えるマーケティングの定義は広義であり、マーケティングの本質として、顧客価値を創造し、伝達し、説得するプロセスとして理解されている点を解説いただきました。
 そして、組織論として分業の重要性について触れられるとともに、マッキンゼーの7Sを用いてハード面の変革を通じてソフト面が影響を受ける点についてご説明いただきました。
 次に、マーケティング×知財として、知財を経営の課題解決にどう結びつけるかについて説明され、以下の視点が挙げられました。
 マーケット動向の分析:知財活動が市場のメガトレンドを捉え、経営課題の特定に貢献すること。
 課題解決の具体化:知財を活用した施策の提案と実行。
 OODAサイクルの適用:観察、適応、意思決定、行動を繰り返すプロセスの重要性。
 さらに、具体例としてアライアンスやライセンス契約、特許ポートフォリオの構築、模倣品対策の取り組みが紹介され、これらが同社の競争優位性の維持にどう寄与しているかが語られました。
 田中氏は講演の中で、次のような重要なメッセージを強調しました。
 マーケティングと知財の融合:知財活動を事業活動の一部として再定義し、価値創造に直結させる。
 経営課題への対応:市場環境の変化を踏まえ、知財を経営の課題解決の手段として活用する。
 継続的な適応の重要性:VUCA時代において、仮説と検証を繰り返しながら変化に対応する柔軟性が必要。
 これらを通じて、経営活動・事業活動の一環として知的財産活動をとらえなおすことが大切であり、マーケティングと知財が一体となることで、企業が持続的な競争優位性を確保できるとの示唆をいただきました。
 今回の講演は、「マーケティング×知財」というテーマについての理解を深める貴重な機会となりました。参加者からも「非常に参考になった」という声が寄せられ、横河電機の先進的な取り組みが強い印象を残しました。
 
(報告者:プロジェクトリーダー 杉光 一成)

 
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