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研究報告会レポート

第15回インダストリー・イノベーション時代のブランディング研究報告会レポート「CESに見るインダストリーイノベーションの様相」

第15回インダストリー・イノベーション時代のブランディング研究報告会(オンライン) > 研究会の詳細はこちら
 
テーマ:CESに見るインダストリーイノベーションの様相
 
発表者1:「3つの観点からCESの10年の振り返り」
     朝岡 崇史(株式会社ディライトデザイン 代表取締役 / 法政大学 客員教授)
発表者2:「今日のマーケティング・エクセレンスの視点」
     黒岩 健一郎(青山学院大学ビジネススクール 教授)
発表者3:「CES2025キーノートスピーチでのエコシステムを読み取る」
     森 一彦(京都先端科学大学 教授)
 
日 程:2025年3月15日(土)19:00-21:00
場 所:Zoomによるオンライン開催
 
【報告会レポート】
 CESとは、全米民生技術協会(Consumer Technology Association)主催による、毎年1月初旬に行われる世界最大規模の最先端テクノロジーイベントであり、2025年では、世界160カ国より、来場者140,000人を超える参加があった。
 
1)「3つの観点からCESの10年の振り返り」
 発表者、朝岡崇史先生からは、CESを過去10年間にマーケティング視点で取材してきた知見を総括し、①AIやIoTなどの最先端テクノロジーの進化が、②エヌビディアのようなテック企業だけでなくトヨタのような伝統的な企業に対しても事業モデルの変化を促し、結果的に③顧客体験の本質をモノ(プロダクト)からコト(体験)・イミ(サステナビリティ)へ深化させていったプロセスが説明された。また直近のCES2025では「自律性を高めた生成AIによって顧客体験価値をRedefine(再定義)する」ことがKeynote Speechを行ったエヌビディア、Panasonic、デルタ航空、アクセンチュアなどに共通するメッセージであったことが報告された。
 
2)「今日のマーケティング・エクセレンスの視点」
 発表者 黒岩健一郎先生からは、従来の「マーケティング・エクセレンス」から新しい「マーケティング・エクセレンス」への変化を、Homburg et al.(2020)をもとに解説があった。新しい「マーケテイング・エクセレンス」の3つのキーワードは、それぞれ「エコシステム」、「エンドユーザー」、「アジリティ」で、それらを重視している企業は、それらを重視していない企業と比べて、時価総額の伸びが高いことが示されていることも紹介された。
 
3)「CES2025キーノートスピーチでのエコシステムを読み取る」
 発表者、森一彦からは、CESでのKeynote SpeechをマーケテイングでのOfferingとして捉え、CESを通じた「エコシステム」形成へのあり方について発表を行った。今日のAIを含むデジタルテクノロジーの急速な進化やサステナビリティへの移行により、今日の事業では、顧客に集中し、競合他社を上回るパフォーマンスを上げることでは成功が難しく、エコシステム全体で考える必要がある。その上でCESでのKeynote Speechは、従来的な事業を再定義し、企業単独での事業展開を超える「エコシステム」形成へのOffering(提案)する場となっているという観点が提示され、CES2025でのKeynote Speechを行った企業から、 1)Panasonic、2)Delta Airline2社のスピーチ(基調講演)を取り上げ、テーマティックな観点よりナラティブ分析(Speechを一連のSequence連続的場として捉え、どのような「テーマ」から文脈化しているのかを分析)し、そこでのOfferingのあり方を辿った。さらに、「エコシステム」の形成を、そこに関わるアクターからの規定ではなく、そこに関わる構造から規定し、「エコシステムとはパートナー同士が協力し合い、エンド・ユーザーに価値提案を行う構造のこと。」(Ron Adner 2022)という定義から、①エンドユーザーへの関わり方、②価値提案の方向性、③エコシステムへの構造、という3つの視点から2社の特徴を要約した。
 
講演の様子
 
(文責:森 一彦)

 
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