|
第28回地域活性化マーケティング研究報告会レポート「博多大丸『九州探検隊』の地域活性化の取組み」 |
第28回地域活性化マーケティング研究報告会(福岡) > 研究会の詳細はこちら
テーマ:博多大丸「九州探検隊」の地域活性化の取組み
報告者:伊藤 敬一郎 氏(株式会社博多大丸 営業統括部 九州探検隊 部長)
日 程:2025年4月13日(日)16:00-18:00
場 所:TKP「エルガーラ」第2会議室
【報告会レポート】
今回の研究報告会では、九州:福岡の百貨店「博多大丸」が長年取り組んできた「九州探検隊」による九州の地域活性化を取り上げ、その推進者である九州探検隊部長:伊藤敬一郎さんより、直接にその発足から現在までの取組み経緯、成果などをお話いただきました。
なかでも、①九州地区の116市のアンバサダー契約を締結した連携実績、②従来の多くの百貨店企業が取組んでいる地域の物産展催事・地域産品の開発支援を超えて、観光やSDGsコミュニティ活動などを推進する運営体制-文化伝統継承事業(福岡県久留米絣)、海洋保全アップサイクル(長崎県対馬市)など、③デジタルを活用した新規の地域事業のファイナンスを含めた支援などに、出席者からの関心が集まり、双方のディスカッションが活発に行われました(出席者のほぼ全員が発言するという盛会となりました)。
また本研究会としては、初めての九州:福岡での開催であったため、研究会リーダーの青山学院大学:宮副謙司教授より「地域活性化マーケティング」のフレームワーク、地域資源を着眼する視点としての「GHIL分析」などが解説されました。

写真左より、博多大丸:伊藤様、青山学院大学:宮副教授
【報告会を終えて】
2030年の百貨店モデルでも紹介しているように、百貨店企業の地域ビジネスの強化は、今後の百貨店のあり方のひとつとして重要な戦略であり、博多大丸はその進展レベルが相当に高いといえます。また、企画運営メンバーである文化ファッション大学院大学の内海教授が以前から百貨店協会活動などでも提言されているように、百貨店企業が地域活性化に取り組むことを機に、物販収益だけでなく商品開発事業収益、販促支援収益、コンサルティング収益、顧客会費運用収益など新たな収益モデルを獲得する可能性があり、百貨店の革新戦略としても注目されます。そのような百貨店企業の発展性についても今回の事例発表で強く気づかされました。

集合写真
(文責:宮副 謙司)

