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研究報告会レポート

第5回デジタルトランスフォーメーション研究報告会レポート「デジタル化で変わるもの、変わりにくいもの、変わらないもの ― 救急医療DXを題材にして ―」

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テーマ:デジタル化で変わるもの、変わりにくいもの、変わらないもの ― 救急医療DXを題材にして ―
 

  1. 開会挨拶
  2. 発表「デジタル化で変わるもの、変わりにくいもの、変わらないもの ― 救急医療DXを題材にして ―」
    発表者:福島 直央(ファストドクター株式会社 執行役員/VP of Public Policy 公共政策・地域医療・広報担当)
  3. 質疑応答

 
日 程:2025年3月24日(月)19:00-20:30
場 所:Zoomによるオンライン開催
 
【報告会レポート】
 福島氏からはまず医療現場の現状として、高齢化による需要増と生産年齢人口減少による担い手の急減、医療費増による財政の圧迫、医師の時間外労働の上限規制といった課題と、医療の様々な段階の情報を全体最適された基盤により国民の予防促進・より良質な医療がうけられるように社会や生活を変えることを目的とした医療DXが説明された。
 
医療の課題
 
 次に発表はファストドクターでの「生活者への不安と、医療者の負担をなくす」というミッションのもと、救急医療に焦点を当てた不急の119通報や夜間救急へのウォークインへの対応に進んだ。具体的には、3つのアプローチとして、#7119でのオンライン診療、119通報時の救急車到着前のオンライン診療連携、ウォークインで来院した軽症患者へのオンライン診療が提案されている。既にこの取り組みを受け入れた自治体では、医療提供リソースの逼迫により、夜間休日の診療対応が困難となっていた。そのため、上記のアプローチを既存の体制に取り入れることにより、不要不急の救急搬送削減や救急隊・救急病院の負担軽減といった結果につながっている。一方で全ての診療科がオンライン診療で対応できるわけではなく、また症状によってもオンライン診療を挟むことなく迅速に対応する必要がある点も報告された。
 
課題への対応が全てはできていない…ので提案中
 
 また本研究会で議論しているプラットフォームとしての役割として、特に厳しい状況にある地方と都市部における医療のニーズと医療リソースのマッチングという側面に加え、福島氏からは医師にとって短時間での勤務機会や、キャリアアップに向けた機会提供という側面についてご説明いただいた。医師にとって様々な症状の患者への対応が求められる救急医療という場面での対応は、自身の医師としての能力を高めることにつながるものの、従来の救急医療では一晩単位での勤務が求められていた。それに対し、ファストドクターのプラットフォームに登録することで、一晩は難しいものの数時間であれば対応できるような場合、自分が対応できる範囲で救急医療に関わり、自分の能力を高めることが可能となっている。この点は従来の業務の効率化だけでなく、プラットフォームによる新たな価値提供の一例として捉えることができるものと考えられる。
 最後に医療DXの課題として、先進的な事例も見受けられるもののそのような成功例の周知不足や、医療業界の特徴である診療報酬制度によって価格が固定されていることから、新しい投資の難しさや投資を受けやすくする仕組みを構築することの重要性が指摘された。
 
(文責:今井 紀夫)

 
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