リサーチプロジェクト
研究報告会レポート

第17回ユーザー・イノベーション研究報告会レポート「生成AIが導く商品開発の民主化 ― 共創プラットフォーム『架空商品モール』の事例 ―」

第17回ユーザー・イノベーション研究報告会(カンファレンス2025> 研究会の詳細はこちら
 
テーマ:生成AIが導く商品開発の民主化 ― 共創プラットフォーム「架空商品モール」の事例 ―
日 程:2025年10月12日(日)9:00-10:20
場 所:法政大学 市ヶ谷キャンパス
 
【報告会レポート】
 ユーザー・イノベーション研究会は、「生成AIが導く商品開発の民主化 ― 共創プラットフォーム『架空商品モール』の事例 ―」と題し、株式会社NTT DXパートナーの朴在文プロデューサーによる講演とディスカッションを行なった。
 
講演の様子 初めに、コーディネーターを務める当研究会メンバーの水野学・日本大学商学部教授による解題「生成AIがユーザー・イノベーションにもたらすインパクト:『真』のイノベーションの民主化に向けて」があり、ユーザー・イノベーション研究の系譜と主な研究課題の解説が行われた。その中で、特に「生成AIはツールキットとして有効か」という課題の事例として「架空商品モール」に注目していることが示された。

 
 続く事例紹介では、朴プロデューサーによる「『商品開発2.0』 生成AIと生活者で創る次世代の共創モデル」と題した講演が行われた。プレゼンテーションの冒頭、朴氏からフロアの約50人の参加者に対し「AIがもたらす価値は何か」という問いかけが示された。朴氏の主張は、AIを用いて議論のたたき台を作ることや、想定外のアイデアを生むことなどの一般的な考え方に加え、「不完全であること」に価値があるというものである。特に、個人ではなく集団でAIを活用する場合、AIが生成する不完全な解は不満ではなく新たな問いを生み、そこから始まる対話が非常に重要であることが強調された。
 
講演の様子 講演の様子
 
 2024年12月から運用が始まった「架空商品モール」は、その考えを作業プロセスに組み込んだ商品開発支援サービスであり、今年9月時点で19社に採用され高い評価を得ている。従来、例えば1年ほど要していた商品開発プロセスに、「生活者の悩み起点によるアイデア創出」と「AIによる商品コンセプト・画像の作成」を組み込むことで、半分以下の5か月程度でコンセプト調査まで完了させ、商品化の意思決定ができる設計となっている。
 具体的には、①事前準備(テーマ/N1の選定)、②定性調査(N1とのアイデア共創)、③インサイト抽出・コンセプト策定、④クリエイティブジャンプ、⑤コンセプト調査、という5つのステップで構成されており、それぞれの内容が動画を交えて詳細に紹介された。単にAI技術でコンセプトのビジュアル化や意見整理を行うだけでなく、プロセスにおけるAIを用いるタイミングや、採用企業の社員・役員の関与の仕方などが肝要であると解説された。
 
 研究会の最後にはディスカッションタイムが設けられ、コーディネーターの水野教授がユーザー・イノベーション研究の文脈から質問を行ったほか、フロアからも積極的な発言があり終了となった。
 
講演の様子
 
(文責:清水 信年)

 
Join us

会員情報変更や、領収書発行などが可能。

若手応援割
U24会費無料 &
U29会費半額
member