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第21回ソロモン流消費者行動分析研究報告会レポート「『消費の主役は60代 シニア市場最前線』出版記念 新人類シニアを解剖して、シニアの消費地図を描く」 |
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テーマ:『消費の主役は60代 シニア市場最前線』出版記念 新人類シニアを解剖して、シニアの消費地図を描く
報告者:梅津 順江 氏(株式会社ハルメク 生きかた上手研究所 所長)
司 会:水越 康介 氏(東京都立大学 経済経営学部 教授)
日 程:2026年1月23日(金)18:00-19:30(受付開始17:45)
場 所:法政大学 市ヶ谷キャンパス ボアソナードタワー 25階 研究所会議室5
【報告会レポート】
本報告では、『消費の主役は60代 シニア市場最前線』の出版を記念して、ハルメク・エイジマーケティング生きかた上手研究所所長の梅津順江氏より、令和時代におけるシニア消費の実態と最新トレンドについての報告が行われた。急速な高齢化が進む日本社会において、シニア層はもはや周縁的な消費者ではなく、今後の市場と社会の方向性を左右する重要な主体であることが、データと具体事例を交えながら示された。
報告の中心では、シニアを単に年齢区分で捉えるのではなく、「年代(ライフステージ)」「世代(共有された経験)」「時代(社会環境)」という三層構造で理解する枠組みが提示された。特に60代については、「保守的で変化を好まない」という従来のステレオタイプとは異なり、豊富な人生経験と情報接触を背景に、自ら比較・検討しながら意思決定を行う「広域意思決定者」である点が強調された。意思決定の過程では、正常性バイアス、確証バイアス、自己奉仕バイアスといった認知バイアスの影響が避けられないものの、これらはシニアが消極的であることを示すものではなく、むしろ企業や政策設計にとって有効なヒントになり得ると位置づけられた。
さらに、近年の特徴として、シニア層におけるデジタル活用の進展、知覚年齢と実年齢の乖離、心身の状態に対する意識の変化が指摘された。こうした背景のもとで、シニア層において「ご自愛消費」「イマ活」「推し活」といった新たな消費トレンドが生まれており、シニアは単に老いに備える存在ではなく、「今を楽しみ、自分らしく生きる」主体として消費行動を展開していることが示唆された。
報告後の質疑応答では、かつての60代と現在の60代の決定的な違いはどこにあるのか、またシニア層における所得水準や居住地域、家族構成によるさらなる細分化の可能性について活発な議論が行われた。これらのやり取りを通じて、シニア市場を一枚岩として捉えることの限界と、多層的・動態的に理解する必要性が改めて確認され、シニア市場最前線に対する理解が一層深められる報告会となった。

