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第9回マーケティング/PRテクノロジー研究報告会レポート「サービス・マーケティングの観点でのウェブアクセス解析の可能性 ― サンリオなどの経験に基づくウェブ担当者からの提言 ―」 |
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テーマ:サービス・マーケティングの観点でのウェブアクセス解析の可能性 ― サンリオなどの経験に基づくウェブ担当者からの提言 ―
- 本研究会の趣旨説明
- 研究報告:サービス・マーケティングの観点でのウェブアクセス解析の可能性 ― サンリオなどの経験に基づくウェブ担当者からの提言 ―
- 研究報告を受けての質疑応答・参加者によるディスカッション
日 程:2026年2月19日(木)19:00-20:30
場 所:Zoomによるオンライン開催
【報告会レポート】
1. 本研究会の趣旨説明
藤崎 実 氏(本学会理事 / 研究会リーダー / 東京工科大学 准教授)
研究報告会の実施にあたり、東京工科大学の藤崎氏より研究報告会の参加者に本研究会のこれまでの取り組みついて説明が行われた。また、今回の研究報告会のテーマについて説明し、研究報告の実践事例を基に実務家と研究者が情報共有を通じて深い議論ができればという趣旨の説明が行われた。
2. 研究報告:サービス・マーケティングの観点でのウェブアクセス解析の可能性 ― サンリオなどの経験に基づくウェブ担当者からの提言 ―
発表者:永井 隆 氏(株式会社サンリオ 営業本部 エデュテイメント事業部)
株式会社サンリオの永井氏より、サービス・マーケティングの観点から「アクセス解析(ウェブサイト行動データ)をどのように顧客価値の理解へと結びつけるか」をテーマに実践事例を交えながら実務者の立場から研究報告が行われた。
永井氏は、デジタルマーケティングの実務におけるWebサイトの利用状況を測定・分析するアクセス解析の定義について述べられ、デジタル広告、検索語句、ヒートマップ、CRM等の各種データの利活用とアクセス解析を併用した実践事例について解説した。また、実務を通じたデジタルマーケティングにおける課題について、アクセス解析がすぐに成果に結びつくとは限らないと指摘した。

デジタルマーケティングは、「職人技」に頼る部分も多いが、マーケティング・フレームワークを用いてユーザーの動きを推定することが細かいデータを見るの同じくらい重要であると指摘し、アクセス解析とサービス・マーケティングの関係性について事例を通じて検討した。

今回の研究発表では、サービス・マーケティングの中でも「財に対する無形物」「顧客サービス」を中心に検討し、サービス・マーケティングにおける7Pのフレームワークについて解説し、品質分類とアクセス解析の視点から整理し事例解説を行った。


1つ目のサブスクリプションサービスの事例では、顧客満足度の向上と顧客継続利用率の改善に焦点を当てた。事例を基にサブスクリプションサービスにおける問い合わせ対応システムやWebサイトのユーザビリティ上の問題を指摘し、顧客視点に立って組織全体のプロセスを見直し、改善していく必要性について解説した。
2つ目のプログラミングスクールの事例では、コンテンツ改善によるセミナー申込数・売上の向上の事例を報告した。あわせて、サービス提供における「無形性」が品質管理を困難にさせている背景について解説した。
3. 研究報告を受けての質疑応答・参加者によるディスカッション
ファシリテーター:藤崎 実 氏(同上)
研究会メンバー/ディスカッション
永井 隆 氏(同上)
阿波賀 藍 氏(株式会社TimeTree コミュニケーション室 Public Relationsチーム)
奧野 辰広 氏(常磐大学 准教授)
佐藤 和明 氏(茨城キリスト教大学 教授)
高梨 杏奈 氏(株式会社LegalOn Technologies 広報)
藤原 健太郎 氏(三井住友カード株式会社)
三宅 正 氏(三宅マーケティング事務所 代表)
当日、質疑応答とディスカッションを通じ、アクセス解析の本質を「数値管理」から「顧客体験の測定」へ転換するための具体的条件を議論しました。主な結論として、顧客体験の深い管理と「顧客の声」への傾聴の重要性が再認識されました。さらに、最新のマーケティング環境に即したデータ・AI戦略のほか、組織内連携やベンダーコントロールの最適化についても、今後の必須事項として合意形成がなされました。
【研究報告会を終えて】
デジタルマーケティングの実践には、アクセス解析によるKPI管理と顧客の声に基づく戦略反映の両立が欠かせない。特に今後は、AI技術の進化を背景にデータ活用と組み合わせたマーケティングテクノロジーの活用が企業実務の鍵となる。マーケティング・フレームワークを活用してユーザー行動を読み解き、新たな付加価値を創出することが求められるだろう。あわせて、施策を支える組織内外の円滑なコミュニケーション構築も、極めて重要な役割を担うことになります。
(文責:奥野 辰広)

