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第9回サステナブル・マーケティング研究報告会レポート「企業のグリーン・マーケティング/コミュニケーションを支える5つの基本原則と先進事例」 |
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テーマ:企業のグリーン・マーケティング/コミュニケーションを支える5つの基本原則と先進事例
報告者:青木 茂樹(駒澤大学 教授)
北村 暢康(サントリーホールディングス株式会社 サステナビリティ経営推進本部 シニアアドバイザー)
中村 優花(株式会社メンバーズ 脱炭素DXカンパニー)
ゲスト:伊藤 恵(Harch Europe 責任者・ロンドン在住 )
小寺 潤弥(株式会社メンバーズ 脱炭素DXカンパニー)
亀本 こころ(株式会社メンバーズ 脱炭素DXカンパニー)
司 会:倉岡 美亜(株式会社メンバーズ 脱炭素DXカンパニー)
日 程:2026年1月16日(金)16:30-18:00
場 所:Zoomによるオンライン開催
【報告会レポート】
2026年1月16日、日本マーケティング学会のリサーチプロジェクト「サステナブル・マーケティング研究会」にて、第9回報告会を開催しました。
脱炭素・循環型などサステナブルな社会への転換が急務となる中、消費者がグリーン製品・サービスを正しく選択するための情報発信が企業に求められています。しかし、実務の現場では「グリーンウォッシュ」への懸念や、具体的なコミュニケーション手法の欠如が課題となっているのではないかと考え、本研究会では「グリーンマーケティング ガイドライン」の策定を進めています。
今回は、策定中の「グリーンマーケティング ガイドライン」の全体像を中間発表として共有しました。企業の在り方の土台となる「一貫性」「対応力」、そしてアウトプットの質を高める「透明性」「信頼性」「共感性」という5つの基本原則について、先進企業の事例を交えながら考察しました。
はじめに:研究会の歩みと本報告会の狙い
青木 茂樹 氏(駒澤大学 教授)
冒頭、青木教授より「サステナブル・マーケティング研究会」の活動背景についてお話しいただきました。 本研究会は2018年、カーボンニュートラル社会の実現に向けたマーケティングの役割を再定義するために発足しました。近年、日本マーケティング大賞の審査においてもサステナビリティの観点が不可欠となるなど、時代の要請は急速に高まっています。「いかにグリーン製品・サービスの価値を正しく、かつ魅力的に伝えるか」という問いへの答えとして、今回のガイドライン策定に至った経緯が語られました。
グリーンマーケティング ガイドラインの全体像
中村 優花 氏(株式会社メンバーズ 脱炭素DXカンパニー)
続いて、現在策定を進めているガイドラインの全体像が共有されました。 作成の背景にあるのは、グリーンウォッシュを回避しながらサステナブルな領域のコミュニケーションをより企業が実施することで、消費者の啓蒙とグリーン市場の拡大を狙うことであると説明。本ガイドラインは、マーケティングの4Pにおける「プロモーション」に特化しており、根幹となる企業のあり方と、それに基づいて「企業が意識すべき考え方」という2階層・5つの原則で構成されていることが示されました。

クロストーク:グリーンマーケティングの現在地とこれから
その後、ガイドラインの核となる「5つの基本原則」について、事例とともに発表。後半のクロストークでは、一部参加者にも意見をいただきながら、議論が深められました。
原則の関係性について、参加者からは「これらは相互に作用し合うのではないか」という意見もいただき、相関関係などさらに分析や研究が必要であることが認識されました。
また、北村氏は「VEJAやOatlyのようなスタートアップは最初からサステナビリティを軸に組み立てられる強みがあるが、資産を持つ既存企業がシフトするには、原料の畑まで遡るような泥臭い努力が必要。しかし、そこで現場のリアリティを含めた物語(共感性)を伝える価値は、ブランドを差別化する上で非常に強い力になる」と語りました。
最後に青木教授より「世界が基準を作りながら進む中、日本企業が遅れを取らず、この5原則を共通言語として世界の課題解決をリードしていくことを期待している」とのメッセージで会を締めくくりました。
【報告会を終えて】
今回の中間発表を経て、本研究会ではさらにガイドラインをブラッシュアップし、日本企業のサステナブルな挑戦を後押しする実践的な指針として完成させていく予定です。ぜひお楽しみにお待ちください。
(文責:プロジェクトメンバー 中村 優花)

