第5回ブランド&コミュニケーション研究報告会(春のリサプロ祭り)レポート「ブランド戦略の新しい枠組みを求めて」 |
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テーマ:「ブランド戦略の新しい枠組みを求めて」
- ブランド戦略の新しい枠組
田中 洋(中央大学ビジネススクール 教授) - 新しいブランド戦略の枠組みを求めて(討議)
阿久津 聡(一橋大学大学院 教授)
森 一彦(関西学院大学大学院 教授)
杉谷 陽子(上智大学 准教授)
足立 光(マクドナルドCMO)
日 程:2018年3月17日(土)
場 所:中央大学後楽園キャンパス
本研究会は以下のような問題意識のもとに開催された。デジタルが本格的にマーケティングに活用されるようになり、同時にAIやIOTなどの新しいテクノロジーが次第に実務の現場に導入され、インダストリーイノベーションが叫ばれる新しい時代に入りつつあるこの時期、ブランド戦略の枠組みはどのようにあるべきかを論じる。
まず田中から基調報告として、「統合ブランド戦略」の枠組みが報告された。アーカーのブランドアイデンティティモデル、カップフェレールのブランドアイデンティティモデル、ケラーのブランドリゾナンスモデル、電通ハニカムモデルなどが紹介されたうえで、田中の三層モデルが説明された。また田中著『ブランド戦略論』の基礎的理論のひとつである「起源の忘却」についても説明され、ブランドがイノベーションという「起源」を持つにも関わらず、それが忘却されてはじめてブランドがブランドとして社会的に成立することを述べた。
続いて行われた討議では、阿久津が経営戦略論の立場から、森が広告論の立場から、杉谷が消費者心理学の立場から、また、足立が実務家の立場から、それぞれ報告内容に関連して意見を述べた。ブランドについて現在、どのような視点や取り組みが必要なのか、実務の面からは、ブランドを社内で議論するとき、どのような考え方が求められるか、あるいは、インダストリーイノベーション時代のブランドの在り方について熱心な議論が行われた。
(文責:田中洋)