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研究報告会レポート

第9回デザイン思考研究報告会レポート「デザイン思考の実践的ツール活用 -社会人・大学生の事業開発事例の「解剖会議」」

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テーマ:「デザイン思考の実践的ツール活用 -社会人・大学生の事業開発事例の「解剖会議」」
ナビゲータ:清水 信年(流通科学大学 商学部 教授)、廣田 章光(近畿大学 経営学部 教授)
 
日 程:2019年12月11日(水)18:30-20:40、その後、ビア・バッシュ(交流会)
場 所:Open Innovation Biotope “bee”(株式会社オカムラ殿と共催で実施しました)
 
【研究報告】
 デザイン思考は新たな市場を創造するためのイノベーションを促進する思考法である。デザイン思考では5つのステップが示されている。そして各ステップを実践するためには、思考ツールを有効に活用する必要がある。
 そのため、今回の研究会では、日本マーケティング協会関西で行われたマーケティング・ベーシックコースのプログラム企画実習の成果の上位チームの事業企画提案3案の報告が行われた。本研究会では、人間中心思考、共感リサーチ、ペルソナ、CJMのデザイン思考の手法の活用について実際に導入をしたメンバーから具体的な効果や導入のポイント、課題について当日のナビゲータを担当した清水、廣田との対話およびフロアからの質疑を通じて確認していった。当日は年末にもかかわらず50名を超える皆さんに参加頂き活発な意見交換が行われた。
 
報告テーマ
・飲食後の〆のシーンに特化したファミリーレストランの新業態「Misono」
・ファミリーレストランと学習塾の連携事業による市場創造「NeuvoRant」
・玩具企業の入浴時のコミュニケーション体験を実現する「ボディウォッシュシャボン」
 

 
 日本マーケティング協会関西ベーシックコースの企画実習では、仮想企業が抱える課題をテーマにして、①異なる業界、企業に属するメンバーがチームを編成し、調査、コンセプト立案、製品・サービスの開発共に、製品・サービスの市場導入に関する企画を行う。そして、②それらの実践においては、ペルソナ、カスタマー・ジャーニー・マップ、観察、プロトタイピング、KJ法といったデザイン思考ではなじみのツールを活用する。
 フロアメンバーには企業経営者、コンサルタント、新規事業開発担当、研究者などが多様。そのため質問も思考やツールに加えて、事業化に向けて建設的な助言も多く提示される。
 

 
 また、研究会後半では、近畿大学の学生チームも2チーム参加。Yahoo!Japanミックスリープ大阪の天下一武道会常連のCCCチーム(リップ(口紅)選択支援ツール)と、リーンスタートアッププログラム優秀チーム(鳥獣被害をドローンを使って解決)が登壇。
社会人チームとは異なる視点やアプローチから新たな市場創造につなげる企画が紹介された。
 CCCは、化粧品売場に張り付いて顧客を観察し続けインサイトを見つける。鳥獣被害ドローンチームは、農家に寝泊まりして農家との信頼関係を形成し、問題の発見と解決を何度も繰り返す。両チームからも、多くのデザイン思考の実践ノウハウが提供された。
 

 
 終了後は、ビア・バッシュが開催され、登壇者、参加者がデザイン思考の活用について意見交換がなされ有意義な場となった。
 

 
(報告書作成:近畿大学 廣田 章光)

 
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