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研究報告会レポート

第11回アジア・マーケティング研究報告会レポート「中国企業のグローバル戦略の理論と実践」

#いまマーケティングができること

第11回 アジア・マーケティング研究報告会(春のリサプロ祭り・オンライン) > 研究会の詳細はこちら
テーマ:中国企業のグローバル戦略の理論と実践
日 程:2021年3月13日(土)14:45-16:15
場 所:Zoomによるオンライン開催
 
【報告会レポート】
 本セッションは2つの報告から構成される。1つ目の報告は,原産国効果の視点からみる中国企業のグローバル戦略についての研究を紹介する。2つ目の報告は,中国が日本や米国との貿易摩擦を経験し,今後如何に発展を継続していくのかといういまの中国について整理し,考察する。同日の報告内容の概要は以下のとおりである。
 
(1)解題:「中国企業のグローバル戦略の理論と実践」
金 春姫 氏(成城大学経済学部 教授)

 マーケティングはコンテクストに依存する。急速に変化しているグローバル市場において,中国の役割は大きく変わりつつある。世界の工場と市場としての役割は継続しながら,近年は中国企業の積極的な海外進出により重要なプレイヤーとしても台頭している。これらのコンテクストを踏まえながら,既存のマーケティングに新しい視点の導入,概念や理論の再検討が急務となっている。
 
(2)研究報告1「中国企業のグローバル戦略に関する研究~原産国効果の視点から~」
施 卓敏 氏(中山大学管理学院 教授)*使用言語:中国語(通訳付き)

 原産国効果の視点からみる中国企業のグローバル戦略についての研究を紹介する。グローバル化の波に乗って世界第二の経済大国となった中国だが,近年は急成長した国内企業のグローバル進出も目立っている。海外における中国企業のブランド戦略を原産国効果の視点から整理すると,「民族型」,「混合型」,「誘導型」の3つに分けられる。それぞれのブランド戦略の特徴,実施条件とプロセスについて豊富な事例を交えながら紹介した。
 
(3)研究報告2「中国でビジネスを行う上での私の実践と経験」
東海林 寛朗 氏(DHL Marketing & Sales,中国中山大学管理学院MBA在籍中)

 2006年から中国に在職し,中山大学でタオバオやメイソウなどを事例にグローバルマーケティング意思決定を研究している。唯品会(Vip.com)は2008年に広州で設立され,2016年には登録総会員数が2億人を突破した。取扱商品の価格は決して安くないが,動画を取り入れることによって分かりやすい訴求をし,口コミの量が非常に多いのが特徴である。また、アジアパシフィックの物流トレンドの分析についても紹介した。
 
(4)質疑応答
 中国企業の特徴として自国のイメージを押す,曖昧にする,隠すといったやり方があるというが,何が中国企業の特徴なのかという質問があった。これに対して施氏は大きく3つあると述べる。1つは,経済全体の積み重ねによって,国内に世界に誇れるサプライチェーンが存在するため,優れた商品を世界に供給できる。2つめとして,中国文化と先進国で学んだハングリー精神を融合させた起業家が多数現れたことである。3つめは,中国には文化変通が根付いている。市場競争環境が厳しく,飽きの早い市場特性を鑑みて,中国企業はチャレンジャブルな対応をしている。
 また,中国では国内市場がこれほど大きいにもかかわらず,グローバル志向が高いのはなぜかという質問も寄せられた。これに対して,施氏は企業から見た場合,競争が激化する国内よりも海外での展開したほうがやりやすく,地政学リスクを分散する意味でも海外で展開するモチベーションが高いという。また,海外で認められたブランドのほうが国内で展開しやすいという点もあるそうだ。
 

参加者とのディスカッションの様子
 
(金 春姫・薗部 靖史)

 
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