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研究報告会レポート

第15回医療マーケティング研究報告会レポート「COVID-19と医療機関のデジタルトランスフォーメーション」

#いまマーケティングができること

第15回 医療マーケティング研究報告会 > 研究会の詳細はこちら
テーマ:「COVID-19と医療機関のデジタルトランスフォーメーション」
日時:2020年7月10日(金)19:00-20:15
場所:ZOOMによるオンライン開催
進行:昭和大学大学院 保健医療学研究科 的場 匡亮
演者:株式会社クリプラ 代表取締役 / 東京医科歯科大学 学外理事 鐘江 康一郎

 
【医療機関経営におけるデジタルトランスフォーメーション】
 COVID-19 が医療機関の経営に与えた影響を鑑みると、戦略の変換、オペレーションの変換、職員マネジメントの変換といった“New Normal”が必要ではないかと感じる。その中でオペレーションの変換に着目すると、他者との接触の頻度を減らす、患者さんの院内滞在時間を減らすという点で、DX(デジタルトランスフォーメーション)が威力を発揮すると考えられる。デジタルの診察券、問診票、処方箋、精算はもちろん、予約システム、診察時間の通知、後会計などの仕組みは国内外で多くの事例がみられている。一つ具体的に始まった取り組みとしてLINEミニアプリを紹介したい。これは、LINEの中で動くアプリとして診察券、予約、会計、通知などの機能を持たせることができるものであり、テスト開発、運用が始まったところである。韓国ではマイクロソフトの技術を活用して患者のスマートフォンと電子カルテが連動して、外来や入院時の幅広い場面で利便性を高めている。日本で実現するにはハードルも多いが、診療所を始めとして医療機関が自前のアプリを持つ時代が到来するだろう。
 DXを加速させていくために、大病院と診療所に対して、それぞれ3つの提案をしたい。病院では、①IT人材を自前で抱えること、②対患者向けのシステムへの投資を増やすこと、③バックヤード業務ではロボットやAIを活用することであり、診療所では①オンプレミス環境からの脱却、②SaaSの活用、③飲食店や美容院などを参考とすること、である。
 
ディスカッション
 チャット機能で質問を受け付け、COVID-19の医働き方改革への影響、医療機関と開発企業のパートナーシップ、患者向けのアプリのビジネスモデルについて議論が交わされました。また、運営委員の川上先生より、コロナ禍で医療従事者等を応援する企画「エールマジックオーケストラ」の企画の紹介がなされました。
 
(文責:医療マーケティング研究プロジェクト リーダー 的場 匡亮)

 
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