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研究報告会レポート

第1回健康経営ブランディング研究報告会レポート 「健康経営」の意味とその実現を考える~「健康に生きる」「しあわせに生きる」ために~

#いまマーケティングができること

第1回 健康経営ブランディング研究報告会(オンライン) > 研究会の詳細はこちら
*愛知東邦大学地域創造研究所シンポジウム共催
 
テーマ:「健康経営」の意味とその実現を考える~「健康に生きる」「しあわせに生きる」ために~
司会進行:上條 憲二 氏 愛知東邦大学経営学部 教授 / 地域創造研究所 所長)
講演者1 阿久津 聡 氏(一橋ビジネススクール 国際企業戦略専攻 教授)
講演者2 岡本 直子 氏(慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科 ヒューマンラボ・オフィス・スリール 代表)
講演者3 佐野 正行 氏(一般社団法人 日本産業医協会 会長&産業医&医師 /(株)メディカル アンド ナレッジ カンパニー 代表取締役)
パネルディスカッション:上條 憲二・阿久津 聡・岡本 直子・佐野 正行
閉会挨拶:榊 直樹 氏(学校法人東邦学園 理事長 / 愛知東邦大学 学長)
 
日 程 :2021年2月13日(土)13:00-15:30
場 所:Zoomによるオンライン開催

 
【報告会レポート】
 健康経営ブランディング研究会は、阿久津聡教授をリーダーに健康経営Ⓡを企業ブランディングの枠組みで実践していくことを探求する研究会である。第1回目となった今回は愛知東邦大学地域創造研究所シンポジウム共催の形で、「「健康経営」の意味とその実現を考える」というテーマで講演とパネルディスカッションを実施した。オンラインでの開催で愛知県内外から100名を超える参加者の下、研究者、実践家、産業医各立場からの情報共有と参加者からの質問も交えて実践的な議論の場となった。
 
講演1「企業理念への共感・共鳴は従業員の健康に影響を与えるか?」
阿久津 聡 氏(一橋ビジネススクール 国際企業戦略専攻 教授)
 
 経営学者の立場から、阿久津聡氏に最新のCTRA(遺伝子発現)研究の結果を共有いただきながら、下記ポイントでお話をいただいた。ブランド・マネジメントのカギは企業理念とステークホルダーの価値観の共鳴の輪で社員、従業員の共感が必要となるが、企業の価値観に理念が訴えて、共鳴した従業員がそれを伝えていくのが企業ブランディングのあるべき姿である。
1. ブランド・マネジメントと従業員の健康増進のつながり
2. 企業理念への共感・共鳴が従業員の健康を守る?
3. 企業ブランディングの枠組みで健康経営を実践する
 
ブランド経営の発展として、阿久津研究室における新しい研究視点を説明する阿久津聡氏
ブランド経営の発展として、阿久津研究室における新しい研究視点を説明する阿久津聡氏
 
講演2「笑顔でしあわせに生きる、笑顔でしあわせにはたらく」
岡本 直子 氏(慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科 ヒューマンラボ・オフィス・スリール 代表)

笑顔でしあわせに生きる、笑顔でしあわせにはたらくのイントロご紹介されている岡本直子氏
笑顔でしあわせに生きる、笑顔でしあわせにはたらくのイントロご紹介されている岡本直子氏
 
 ウェルビーイングの研究および実践者の立場としてコンサルティング、ワークショップ、ダイアログをしてより幸せな組織を増やす活動をされている岡本直子氏からはつながりがあることで前に進める逆境に強い会社として組織としてのしっかりとした土台作りの大切さのお話しがあった。チーム・エンゲイジメントのつながりを育むために実践ヒントとして下記3つ具体的なティップスやワークの紹介をいただいた。
①感謝の効用 ②1 on 1 ミーティング ③自分とつながる
 
講演3「健康に生き、しあわせに働く、真の健康経営である『しあわせ経営』とは?」
佐野 正行 氏(一般社団法人 日本産業医協会 会長&産業医&医師 / (株)メディカル アンド ナレッジ カンパニー 代表取締役)

医師、産業医、経営者の経歴紹介をお話しされる佐野正行氏
医師、産業医、経営者の経歴紹介をお話しされる佐野正行氏
 
 医師、産業医、経営者のご経歴から企業をまるごと健康にしていく健康経営の専門家として携わられるようになった経緯のお話を伺いながら、しあわせに働くために正しいことを、ストレスなく、継続するためのガイダンスをいただいた。自分自身を整えることを習慣化していくことで今をしあわせにする実践までのステップをアドバイスいただいた。
 
 パネルディスカッションでは、企業がいかに従業員のコミュニケーション、エンゲイジメント、つながりを育むことで健康になることを目指す健康経営を実践していくかについて意見交換がなされた。コミュニケーションの工夫などを通じて個人においても働く人としての自身のブランディングが高まると会社にとっての価値向上にもつながる。
 
写真左上:上條憲二氏、右上:阿久津聡氏、左下:佐野正行氏、右下:岡本直子氏
写真左上:上條憲二氏、右上:阿久津聡氏、左下:佐野正行氏、右下:岡本直子氏(パネルディスカッションは終始和やかな雰囲気で笑顔にあふれた)
 
 最後に学校法人東邦学園理事長/愛知東邦大学学長榊直樹氏から大学だけではなく小、中、高校でも生徒、職員・教員すべてを考慮した「健康な学校(づくり)」が重大課題であるコメントをいただいた。
 
報告会を終えて司会進行務めた上條憲二氏の総括】
 講演者各立場からの「健康経営」に対する考えにも「つながり」「感謝」「傾聴」という共通したキーワードがみえてきた。これえらは基本的でありながらなかなかできないことでもあり、まずは自分自身の軸を見つめることが鍵になる。コーポレートブランディングもパーソナルブランディングもどちらも大切で不可分の関係にある。そして、パーソナルブランドを大事にする組織は、コーポレートブランドとしても成長する、そんなストーリーが伺える。
 大学ブランディングに取り組んできた愛知東邦大学でも「『職員・教員』の意識の変化が、大学(組織)を元気にし、それにより成果も生まれてくる」という視点は大事なことで学内の今の雰囲気は「本学らしさ」が感じられる。
 
 3月13日春のリサプロ祭りでも引き続き、健康経営ブランディング研究会は研究報告を行います。健康経営、企業ブランディングに興味を持つ多くの方々のご参加をお待ちしております。
 

 
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