第8回ブランド&コミュニケーション研究報告会レポート「VRと放送メディア」 |
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第8回ブランド&コミュニケーション研究報告会(春のリサプロ祭り・オンライン) > 研究会の詳細はこちら
テーマ:VRと放送メディア
- VRとデータが変えるテレビ制作
田中 瑞人(日本放送協会 制作局 第6制作ユニット専任部長) - 参加者とのディスカッション
司会:久保田 進彦(青山学院大学 経営学部 教授)
日 程:2021年3月13日(土)13:00-14:30
場 所:Zoomによるオンライン開催
【報告会レポート】
今回は日本放送協会(NHK)においてVR活用の指揮をとられている田中瑞人氏(制作局 第6制作ユニット専任部長)をお招きし、放送メディアにおけるVR技術の活用実態についてお話を伺った。田中氏が率いる「制作局第6制作ユニット」は「チコちゃんに叱られる!」のような人気番組から「光秀のスマホ」「よなよなラボ」などの実験的な番組までを制作する先端開発チームである。
当日は、国宝級の仏像や古代の出土品を高解像度の3次元データとして取り込むことで、これまで考えられなった角度から自由に研究したり鑑賞することが可能となったこと、ひきこもりの方々であっても自らがアバターとなることで他者とのコミュニケーションが可能となったこと、さらには都市全体をVR化することでインフラの開発などに役立っていることなどが紹介された。また現在取り組んでいる課題として、VRによる生放送の実現が紹介された。田中氏が実際に取り組んだ生収録番組や生放送番組を事例として、その可能性や今後の展望について説明された。
田中氏のプレゼンテーションに続き、質疑応答の時間に移った。そこでは参加者からいくつもの質問が投げかけられ、活発な議論が行われた。たとえばVR技術を用いることで、消費者はどの角度から製品やサービスを見たがっているのかが定量的に明らかにできるなど、実務的示唆も数多く示された。全体として非常に実り多い研究会であった。