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研究報告会レポート

第1回デジタルトランスフォーメーション研究報告会レポート「デジタル・トランスフォーメーションのプロセス・モデル構築に向けて」

#いまマーケティングができること

第1回デジタルトランスフォーメーション研究報告会(春のリサプロ祭り・オンライン) > 研究会の詳細はこちら

テーマ:デジタル・トランスフォーメーションのプロセス・モデル構築に向けて
日 程:2021年3月13日(土)10:30-12:00
場 所:Zoomによるオンライン開催

 
【報告会レポート】
 第1回目となる本会の研究会は、春のリサプロ祭りの一環として、60名を超える方にもご参加頂きながら開始された。
 
0. 本研究会のスコープ・フォーカス・ステップ(藤川先生)
 今回の研究会は、まず藤川先生からの取組の概要紹介から始まった。「デジタルトランスフォーメーション(以下DX)」のスコープとして、デジタルを前提とし、新たな「顧客体験」の実現を目的とすること、そのための「企業変革」が伴うこと、という2つの「CX」の重要性が紹介された。そして。そのプロセスモデルの構築に焦点をあてることが強調された。
 
1. 小売業におけるデジタルトランスフォーメーション:ダイナミック・ケイパビリティの観点から(近藤先生・今井)
 次にオムニチャネル研究会のリーダーも務める近藤先生から、小売業におけるDXを生み出す小売ダイナミック・ケイパビリティの提示と、そこからの他業種への適用の可能性について報告がなされた。デジタル技術の導入と共に、戦略とそれに伴う組織、文化などの変革も含まれた小売のDXに向けて、統合(新たな顧客価値提供などのための組織やチャネル、そして様々なオペレーション観点)、調整(社内外の各種調整観点)、そして分析(顧客、販売、サプライチェーンなど各種データ分析観点)という3種類のダイナミック・ケイパビリティが提示された。次にこれらのダイナミック・ケイパビリティを活用組織・人、プロセス、データ・テクノロジーという切り口で汎用化を図った場合のテーマが示され、これに対し、実務に携わる運営メンバーからは、各メンバー間のアラインや組織感連携といった課題が挙げられた。
 

 
2.デジタルトランスフォーメーションのプロセス・モデル試論:ダイナミック・ケイパビリティとサービス・ドミナント・ロジックの統合(藤川先生)
 そして次に、プロセス構築に向けた様々な理論と背景についての研究会での議論が藤川先生より紹介された。まず、個社の組織内のリソースに関する議論を中心とするダイナミック・ケイパビリティ論の議論と、価値共創という観点から組織内外のアクターとのリソースインテグレーションに発展してきたサービス・ドミナント・ロジックの知見を統合するアプローチが述べられた。特に、市場をかたちづくるという観点から、market shaping capabilityと、前のパートで紹介された3種類の小売ダイナミック・ケイパビリティの比較へと議論は進んだ。さらに、そのプロセスにおける事後創発性をとらえるために、オーケストレーション、インプロヴィゼーション、エフェクチュエーション、センスメーキング、エマージェンスなどの関連概念を盛り込む可能性、および、ミクロ、メソ、マクロの複数の分析単位を反映する重要性が強調された。
 

 
3.ディスカッション
 最後のディスカッションでは、上記の報告に基づき、DXプロセスモデルの構築に向けた課題が議論された。「センシング」「シージング」「トランスフォーミング」の3ステップから構成される従来のダイナミック・ケイパビリティ論では、最後のステップでそのプロセスが完結する。しかし、DXプロセスにおいては、それからが螺旋状に常に繰り返されること、自社内だけでなく社外のステークホルダーを巻き込むこと、事前計画が難しい状況における事後創発的なリーダーシップを前提としたモデル構築の必要性などが指摘された。
 
 今回の研究会では60名以上の方にご参加をいただいた。改めてDXへの関心の高さを再確認する機会となった。今回ご参加頂いた皆様をはじめ、実務・学術それぞれの立場の方々からの知見やご意見なども伺いながら、個人、企業、エコシステムといった様々なレベルでのDXのプロセスモデルの構築、取り組んでいいきたい。

 
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