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研究報告会レポート

第2回消費者行動と価格戦略研究報告会レポート「ダイナミックプライシングの最先端と将来」

#いまマーケティングができること

第2回消費者行動と価格戦略研究報告会(春のリサプロ祭り・オンライン) > 研究会の詳細はこちら
 
テーマ:ダイナミックプライシングの最先端と将来

  1. 解題
    太宰 潮(福岡大学 商学部 准教授)
  2. ウィズ/アフターコロナにおけるダイナミックプライシング
    小阪 翔(メトロエンジン株式会社 取締役COO兼チーフデータサイエンティスト)
  3. ダイナミックプライシングの普及
    星野 遼太(株式会社ダイナミックプラス 営業戦略部)
  4. パネルディスカッション
    小阪 翔(同上)
    星野 遼太(同上)
    太宰 潮(同上)

日 程:2021年3月13日(土)13:00-14:30
場 所:Zoom使用によるオンライン開催
 
【報告会レポート】
 本報告会は、近年特にコロナ禍で話題となることが多い、ダイナミックプライシング(以降DP)に焦点を当てて、最先端で活躍する2名のゲストをお迎えして開かれました。
 
小阪翔氏 前半は、ホテルやレンタカー向けに加え、近年は鉄道などの公共交通機関に向けてDPの仕組みを提供されているメトロエンジン(株)の小阪翔氏、スポーツチケットなど興行におけるDPに強みを持つ(株)ダイナミックプラスの星野遼太氏をお迎えし、お話を頂きました。
 小阪氏からは、SaaSとして最適価格を提供されている仕組みや、DPが広がる理由を解説頂きました。その理由としては、AIによって非常に多い変数の分析が可能となったこと、オンライン上を含めて価格表示のデジタル化が進んだこと、そしてAPI連携を挙げて頂くなど、具体的なポイントをご指摘頂きました。また様々なタイプが存在するDPを、Who/Whenの軸、それからよりダイナミックか/より固定的か、によってタイプ分類を頂きました。
 
星野遼太氏 続いて星野氏からは、まずスポーツチケットを中心にDPが拡大する現場の様子や、コロナ禍における混雑回避や限られた収容客数における収益確保などについてご説明頂きました。そして小阪氏とはまた異なる視点で「一物一価」「多物一価」「一物多価」やそれが固定的/変動的となることで、既存のDPが類型化できることを解説頂きました。その上で、消費者の反応も踏まえつつバリアブル・プライシングとDPの2つを段階的に使い分けることや、LTVを意識したレベニューマネジメントについて、事例も含めてご説明を頂きました。
 
 お話を頂く中で参加者からZOOMチャット欄に質問も頂いており、すぐにディスカッションに入りました。まずロイヤルティやブランディングを踏まえた質問については、DPというと「価格を高くする」側面だけに焦点が当たりがちだが、常連の顧客のロイヤルティやブランドなども踏まえた「安売りをしない」という観点を踏まえること、LTVの計算などが難しい場合は新規顧客などに対してまずDPを先に行うなどして段階を踏んで、事業者との議論や慣れ、値段変更による客層変化やクチコミによる影響などを含めてDPを進めていくことをご説明頂きました。それ以外にも、既存の価格変更の自動化によって業務効率化が非常に進む点にメリットが強く感じられるという、現場ならではの感覚もご説明を頂きました。
 続いて、SMのフードロスを防ぐことを含めて、小売におけるDPが進むかという話題となりました。販売期限・消費期限など、実店舗の棚の状況把握を含めたPOSシステムの仕組みが課題として指摘されると共に、RFIDタグのコストや画像分析によっては今後ブレイクスルーが起こる可能性があることも議論されました。
 ディスカッションでは他にもアパレルにおけるDPについてのやりとりもあり、それ以外にも答えきれない質問がありましたが、時間が来てしまったので終了をさせて頂きました。新しい分野、普及の最中にある分野、利益に直結する分野ということで活発な質問、ディスカッションを行うことができました。ありがとうございました。
 
(文責:太宰 潮)

 
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