第14回デザイン思考研究報告会レポート「ビジネススクールにおけるデザイン思考教育の実際と課題」 |
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テーマ:ビジネススクールにおけるデザイン思考教育の実際と課題
報告テーマと報告者:
- デザイン思考教育の概観について
黒岩 健一郎 氏(青山学院大学大学院 教授)
小川 亮(株式会社プラグ 代表取締役社長) - ビジネススクールにおけるデザイン思考教育の実際と課題 明治大学ビジネススクール編
小川 亮(株式会社プラグ 代表取締役社長) - ビジネススクールにおけるデザイン思考教育の実際と課題 青山学院大学大学院ビジネススクール編
黒岩 健一郎 氏(青山学院大学大学院 教授)
吉橋 昭夫 氏(多摩美術大学 准教授) - デザイン思考教育の実際と課題 スタンフォード大学大学院(機械工学科)のデザイン系講義
廣田 章光 氏(近畿大学 教授)
日 程:2022年3月19日(土)16:30-18:00
場 所:Zoomによるオンライン開催
【研究報告会】
近年、企業において新サービス・新製品開発力強化に向けた大規模なデザイン思考教育が積極的に行われている。また、文部科学省や経済産業省においても東京工業大学・一橋大学・多摩美術大学あるいは京都大学・京都市立芸術大学・京都工芸繊維大学といった複数の大学間連携を主体にした社会人教育を推し進めるなど、官民両面で積極的な動きがみられる。こういったデザイン思考教育の高まりを受けて、第14回デザイン思考研究会ではMBAプログラムにおけるデザイン思考教育の現状と課題をテーマに研究会を開催した。
まずは、デザイン思考教育において高校、大学、企業の3主体にどのような取り組みが見られるのかを概観したのち日米のMBAプログラムにおけるデザイン思考クラスの設置状況の報告があった。米国30のトップスクールの半数がフルタイムの授業に取り入れており、エグゼクティブプログラムやオンラインコースなどを含めるとほぼすべてのスクールにおいてデザイン思考のクラスが設置されていた。一方、日本のビジネススクールにおいてもデザイン思考クラスを設置する学校が多くみられる反面、代表的なビジネススクールにおいて開設が見られない、コースの名称にばらつきある、非常勤講師が主体となっているといった状況も見られた。
続いて具体的な事例として明治大学ビジネススクール、青山ビジネススクール、スタンフォード大学デザイン系講義についてのカリキュラム、課題などについての報告があった。明治・青山両校のプログラム及び課題に対し、広く細分化されたスタンフォード大学デザイン系講義の充実した内容は今後の日本におけるデザイン思考教育の参考になる貴重な報告であった。限られた時間ではあったが参加者から質問や意見も活発に提示され、デザイン思考教育への関心の高さが感じられた。
(報告書作成:株式会社プラグ 小川 亮)