第17回デザイン思考研究報告会レポート「ビジネスにおける『デザイン』の価値とアントレプレナーシップ教育 ― 九州大学 デザイン✕ビジネス✕アントレプレナーシップ専修トラック ―」 |
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テーマ:ビジネスにおける「デザイン」の価値とアントレプレナーシップ教育 ― 九州大学 デザイン✕ビジネス✕アントレプレナーシップ専修トラック ―
報告者:
高田 仁(九州大学 経済学研究院 産業マネジメント部門 経済学研究院産業マネジメント部門)
報告を受けてのパネルディスカッション
廣田 章光(近畿大学 経営学部 商学科 教授、デザイン・クリエイティブ研究所 所長)
吉橋 昭(Designship Do 全体監修)
日 程:2023年3月9日(土)9:30-10:20
場 所:福岡大学およびZoomによるオンライン開催
【報告会レポート】
AIの社会への浸透と共にデザイン教育の重要性が世界的に注目されている。デザイン思考研究会では、九州大学ビジネススクールで、デザイン分野(旧、九州芸術工科大学)とマネジメント分野の連携プログラムを展開されている高田仁先生(九州大学 副理事)にお話しを伺った。
高田先生からは、デザインとビジネス、アントレプレナーシップを連携させたビジネススクールプログラムの開発経緯とその全体像について資料と実例をもとに説明があった。特に企業勤務者がデザインを学ぶ意義とデザイン能力を企業で活用することの有効性を体験的に理解することの意義について九州大学ビジネススクール参加者の評価を踏まえて提示頂いた。またプログラムを運営する上での課題の1つである、デザイン分野の研究者とマーケティング分野の研究者が連携するための工夫についてもお話しを頂いた。
後半は、運営上の工夫に加え、大学が持つ技術シーズの活用とビジネススクールの活用並びに、テーマ設定の工夫および専門領域の有機的連携の方法についてもお話しを伺った。特にテーマ設定については①参加者が理解し易い表現の技術表現が重要であること、②参加メンバーの関心(企業に持ち帰ることができることを含めて)が重要であること、③参加メンバーの業務経験、知識との関連も踏まえて検討することが重要であることが提示された。
また、デザイナーと経営、マーケティングに関与する人々が共創し易くする工夫として、それぞれの役割を相互に認識する重要性と、チームビルディングのプログラムを早期にかつ頻度多く組み込むことの重要性が指摘された。それぞれの役割認識とは、デザイナーの人々は技術や製品・サービスに意味を見出す能力に長けており、経営、マーケティングに関与する人々はイノベーションの実現、仕組みの創造する能力に長けていることを相互に認識する必要がある。そしてチームビルディングの狙いはこの特性理解を早期に相互理解することにある。
講演終了後は、クロストークならびにオンラインからの質問やコメントを交えて理解を深めることができた。
(文責:近畿大学 廣田 章光)