第2回カラータイプ研究報告会レポート「マーケティングへのカラータイプ理論の貢献 ~サービス・マーケティングにおける組織内対話力の向上~」 |
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テーマ:マーケティングへのカラータイプ理論の貢献 ~サービス・マーケティングにおける組織内対話力の向上~
- おもてなしの伝承、暗黙知の共有における組織的学習効果について
山本 誠一(立命館大学 OIC総合研究機構 教授)
大島 直彰(株式会社関西テレビ放送 営業局管理部長)
河野 万里子(株式会社色彩舎 / カラータイプ理論開発者) - 学生間のコミュニケーション力向上に向けたカラータイプ理論の実践
安藝 雅美(芦屋大学 臨床教育学部 児童教育学科 准教授)
山本 邦子(一般社団法人 カラータイプ協会 / 株式会社マグノリア 取締役) - 看護師の感情労働に見るコミュニケーションの特徴 ~カラータイプ理論によるストレス軽減~
藤井 順子(医療法人敬任会 南河内おか病院 看護師)
司会進行:山本 誠一(立命館大学 OIC総合研究機構 教授)
日 程:2024年7月2日(火)19:00-21:00
場 所:Zoomによるオンライン開催
【報告会レポート】
この研究会では、第1回目よりカラータイプ理論をもちいて、さまざまなマーケティング現象の解明に応用してきている。第2回目のカラータイプ報告会では、ホスピタリティ、教育サービス、ヘルスケアといった異なった分野におけるカラータイプ理論適用の有効性と貢献に関して、3つの研究報告がおこなわれた。
第1報告は「おもてなしの伝承、暗黙知の共有における組織的学習効果について」(山本 誠一・大島・河野)で、京都の老舗旅館を対象に「暗黙知(おもてなし)の理解と伝承」におけるコミュニケーションの課題を取り上げた。コミュニケーションを円滑にすすめるうえで、カラータイプ理論とエニアグラムの二つの心理アセスメントをもちいることで、暗黙知(おもてなし)の相互理解が円滑にすすむことを仮説とした。相手の心理アセスメントを理解した上でのコミュニケーションが重要であり、それらを検証するために現在アクションリサーチを行って調査中であるという報告があった。
第1報告の様子(上段から大島 氏・河野 氏・山本 誠一 氏)
第2報告は「学生間のコミュニケーション力向上に向けたカラータイプ理論の実践」(安藝 ・山本 邦子)で、大学生にカラータイプ理論を通して個々のタイプ別コミュニケーション実践を行い、意識変化を検討した。 KHコーダーによるテキストマイニングの結果、語彙の頻度と共起ネットワークから「考え方の違い」に、学生が客観的に気づいた事が示唆された。
第2報告の様子(安藝 氏・山本 邦子 氏)
第3報告は、「看護師の感情労働に見るコミュニケーションの特徴~カラータイプ理論によるストレス軽減~」(藤井)で、チーム医療、多職種連携という医療体制の中で看護師に求められるコミュニケーションと医療現場の特殊性を明示した。感情労働と言われる看護師のコミュニケーションをふまえ、カラータイプ理論によりストレス軽減がはかれるのではないかということについて事例を交えて報告があった。
第3報告の様子(藤井 氏)
各報告の終了ごとに質疑応答が行われ、また最後にアンケートでも意見・感想をいただいた。それをまとめると、カラータイプ理論の実務における有効性は感じられるなか、一般化の可能性を考えるとまだまだ議論すべき点が多くあるという意見をいただいた。
最後に総括、今後の展開「これからのカラータイプ理論の方向性とカラーマーケティングについて」(佐藤・河野)では、発表された3つの報告内容に今後必要な研究の方向性についてのフィードバックがおこなわれた。特に、カラータイプ理論がセルフ・アイデンティフィケーションに役立つのではないか。その際に、ポジティブ心理学の面からの研究も重要になると考えられることも示唆いただいた。
総括・今後の展開の様子(佐藤 氏・河野 氏)
(文責:プロジェクトリーダー 山本 誠一)