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第13回マーケティング・ツールとしての知的財産研究報告会レポート「特許データから分析する『アドテック』の現状と今後の見通し」 |
第13回マーケティング・ツールとしての知的財産研究報告会(三都市カンファレンス:東京会場)
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テーマ:特許データから分析する「アドテック」の現状と今後の見通し
- 特許データのマーケティングへの活用の基礎
杉光 一成(KIT虎ノ門大学院(金沢工業大学大学院)イノベーションマネジメント研究科 教授) - 特許データから分析する「アドテック」の現状と今後の見通し
井尻 洋輔(PwCコンサルティング合同会社 マネージャー) - 報告者及び参加者によるディスカッション
日 程:2025年3月8日(土)10:20-11:30
場 所:法政大学 市ケ谷キャンパスおよびZoomによるオンライン開催
【報告会レポート】
今回は「特許データから分析する『アドテック』の現状と今後の見通し」と題し、研究会リーダーの杉光 一成(KIT虎ノ門大学院/金沢工業大学大学院)からの約20分間の発表に加え、特許データ分析を専門とする井尻 洋輔氏(PwCコンサルティング合同会社)をお迎えし、アドテック(AdTech)に関する技術動向やそのマーケティング戦略への応用可能性について、約30分間の多角的な観点からの報告が行われました。
冒頭ではリーダーの杉光一成より、知的財産には「独占権」と「情報」の2つの側面があり、後者である「特許データ」は企業戦略やマーケティングに活用できる重要な情報資源であるという視点が示されました。特に、PEST分析・3Cs分析・5フォース分析といったマーケティングの基本フレームワークに特許データを組み合わせることで、より実証的な「IPランドスケープ」が可能となる点が強調されました。特許情報が世界の技術情報の約8割を占めるとのEU報告も紹介され、特許データの有効性と信頼性が再認識されました。
続く井尻氏からは、PwCが実施した特許データ分析に基づくアドテック分野の技術動向についての詳細な報告がありました。IPランドスケープのツールとしてPwCが独自開発したIBA(Intelligent Business Analytics)により抽出されたクラスター分析では、「ゲーム内広告」「リアルタイム入札(RTB)」「位置情報ベース広告」「デジタルサイネージ」「生体情報によるモニタリング広告」など、現在注目すべき技術が分類・可視化されました。
特に、「検索履歴等に基づくゲーム内広告」や「ユーザーの環境に応じたインタラクティブ広告」、「広告配信機器やインフラ」などのクラスターについては、今後の成長性やマーケティング戦略上のインパクトが大きいと評価されていました。また、生体データを活用した広告効果測定(視線、脈拍、表情など)も、ユーザー体験に根差した新たなマーケティング指標として期待されているとのことです。
セッション後半の30分では、参加者との活発な質疑応答が行われ、特に長年アドテックにかかわっていた参加者から「違和感のない結果」という発言があるなど、アドテックの進展と特許データ活用の可能性について多くの関心が寄せられました。急速に進化する広告技術市場において、知的財産データの戦略的活用がいかに重要であるかを再認識する場となりました。

