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研究報告会レポート

第3回BtoB営業アート&サイエンス研究報告会レポート「BtoB営業アート&サイエンス理論体系化への挑戦」

第3回BtoB営業アート&サイエンス研究報告会(複都市カンファレンス:大阪会場)> 研究会の詳細はこちら
 
テーマ:BtoB営業アート&サイエンス理論体系化への挑戦
日 程:2026年2月28日(土)15:30-16:50
場 所:武庫川女子大学およびZoomによるオンライン開催
 
【報告会レポート】
 本研究会は、人的資源としての営業の視点(アート)に加えて、営業サイエンス(営業モデルと営業活動管理、顧客関係性、ブランディング及び心理学の諸要素等)の理論体系化を図ることを目標にしている。
 
第1報告
登坂一博氏 登坂一博氏(園田学園大学)は、研究会全体の趣旨および今後の研究計画について説明した後、「BtoB営業における暗黙知としての『感情労働』とSECI理論との接合について」と題して報告を行った。報告では、従来の営業研究が扱ってきた顧客関係管理や営業プロセスに加え、営業担当者が日常的に行っている感情マネジメントや共感的理解といった暗黙知の重要性が指摘された。さらに、野中郁次郎のSECI理論を援用しながら、営業における感情労働が知識創造プロセスの中でどのような役割を果たしているのかについて考察が行われた。あわせて、「アートかサイエンスか」という二項対立ではなく、「アートとサイエンス」を統合的に活用することで強い営業組織を形成できるのではないかという問題提起がなされた。
 
瀧川雅行氏 瀧川雅行氏(有限会社CROメディポート)は、「B2B営業の課題とその対応例について」と題して報告を行った。報告では、海外におけるセールス手法や営業プロセス改善の事例が紹介されるとともに、営業活動の定量化や標準化が進むなかで、実務に理論をどのように適用していくべきかについて具体的な示唆が提示された。また、市場環境や顧客ニーズの変化に対応するためには、営業担当者の経験に依存する属人的なノウハウを組織的知識へと転換することの重要性が論じられた。
 
総合討論
 後半のセッションでは、参加者を交えた質疑応答および総合討論が行われた。議論では、「営業」と「セールス」をどのように区別して捉えるべきかという概念的な問題に加え、本研究会が目指す理論体系化のための学術的基盤について活発な意見交換がなされた。特に、営業研究において暗黙知と形式知の関係をどのように位置付けるか、また営業成果を説明する要因として個人能力・組織能力・顧客関係性をどのように整理すべきかといった論点が提起された。
 さらに、近年のAI技術やデジタルツールの発展が営業実務にもたらす影響についても議論が及び、営業のアート領域として考えられてきた知識や経験が今後どの程度形式知化され得るのかという点に関心が集まった。これらの議論を通じて、「BtoB営業アート&サイエンス」という研究テーマの意義と今後の研究課題がより明確になった。
 
おわりに
 本研究会では、営業活動をアートとサイエンスの双方から捉えることの重要性が改めて確認された。特に、感情労働や経験知といった暗黙知の領域に理論的な説明を与える試みと、実務における営業課題への応用可能性について多面的な議論が展開された。今後は、概念整理と実証研究の両面から検討を進めることで、BtoB営業アート&サイエンスの理論体系化に向けた研究の深化が期待される。
 
(文責:本下 真次 / 企画運営メンバー)

 
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