リサーチプロジェクト
研究報告会レポート

第7回観光・地域マーケティング研究報告会レポート「物語で発信する地域の魅力」
「CSV観光ビジネス」

第7回 観光・地域マーケティング研究報告会 > 研究会の詳細はこちら

テーマ1:「物語で発信する地域の魅力」
講演者:彦田 和詳 氏(社団法人ニッポニア・ニッポン 代表理事)
テーマ2:「CSV観光ビジネス」(科研費の成果報告)
講演者:高橋 一夫 氏(近畿大学経営学部 教授)
    藤野 公孝 氏(流通経済大学社会学部 教授)
    遠藤 雅彦 氏(東京都労働委員会 事務局長)

日程:2015年2月10日 (火)15:00-18:00
場所:流通科学大学東京オフィス

 
 

15:00~16:30 講演及び質疑応答 
講演者:彦田 和詳 氏(社団法人ニッポニア・ニッポン 代表理事)
テーマ1:「物語で発信する地域の魅力」

 

・地域の魅力を掘り起こし、Webをベースにして情報発信をすることで地域のアイデンティティづくりと地域の固有の「ストーリー」づくりをサポートする。
・今まで鞆の浦、武蔵国分をはじめ4か所のサポートをしてきた。ここまではボランタリーベースで行ってきたが、今後はビジネス化したいと考えている。
・ストーリー作りのプロセス及びそこで生まれてくる観光推進主体の中に地域の関係者を広く巻き込み、「オリジナル・ストーリー」という地域のアイデンティティを広く共有することで、観光産業を地域が一体となって応援していく仕組みを作る。
・ 潜在的な旅行客の来訪動機を刺激し、現に来訪した顧客の消費単価を高めるためには、マーケティング視点を取り入れ、具体的な顧客像をイメージして、顧客に「刺さる」商品を開発することが重要。しかし、地域にマーケティング手法を活用できる人材が乏しいこと、一般消費財ほどには短期間の反復消費を多くは見込めないこと等により、マーケティング視点を観光産業にそのまま適用するのは難しい。
・そこで、ストーリー作りのプロセスは、地域が制作した経験ストーリーを検証するためにマーケティング調査を実施し、そのデータを分析して得られたマーケティング視点を踏まえてストーリーの修正を行う。地域は主体的にマーケティング手法を取り入れ、顧客満足に資するデスティネーション・マネジメントを実行する。
・こうした流れをもとに、自治体からの受託を目指すが、「まち・ひと・しごと」創生総合戦略でも同様の考えが示された今が、ビジネスを始めるチャンスだと捉えている。

 
地域WEBプラットフォームのイメージ図
図1. 地域WEBプラットフォームのイメージ図
 
研究会の様子 講演者の彦田氏
写真左から、研究会の様子、講演者の彦田氏
 
 
16:40~18:00 講演及び質疑応答 
講演者:高橋 一夫 氏(近畿大学経営学部 教授)
    藤野 公孝 氏(流通経済大学社会学部 教授)
    遠藤 雅彦 氏(東京都労働委員会 事務局長)
テーマ2:「CSV観光ビジネス」(科研費の成果報告)

 
・今年度までの科研費「観光のビジネスエコシステム」で取りまとめた成果を『CSV観光ビジネス』で上梓した。その成果発表を兼ねて、共同編者の藤野教授及び執筆者として東京マラソンをケースに取り上げた初代東京マラソン事務局次長の遠藤氏と3人で発表をした。
・高橋からは、社会のニーズや問題に取り組むことで社会的価値を創造し、その結果、経済的価値が創造されると説くマイケル・ポーターの「共通価値の創造(Creating Shared Value)」の概念を観光事業に適用することの意味について解説した。
・藤野教授からは、シンガポールが憲法の改正をしてまでカジノ誘致をしたことを事例に、観光政策にCSVの概念が生かされていることを解説した。また、観光庁が定めた2013年版の観光立国推進基本計画には「三方良し」という言葉が登場し、観光事業が経済的価値を生み出すとともに地域に社会的価値を生み出す事業であることを求めていることなどを紹介した。
・遠藤氏は、下記の図2. を基に、東京マラソンが従来のマラソンと違い、選手、主催者、地域との間でWin-Win-Winが作られていることを紹介した。
 
東京マラソンのプレイヤーと生み出す価値
図2. 東京マラソンのプレイヤーと生み出す価値
 
 
*その後、懇親会(終了後18:30~20:45)
場所:研究会終了後、同会場にて

 
Join us

会員情報変更や、領収書発行などが可能。

若手応援割
U24会費無料 &
U29会費半額
member