| マーケティングサロンに参加しよう!サロンの活用法とは? |
*内容は講演当時(2023年7月12日)の情報を含んでおります。その旨、ご了承ください。
(1)マーケティングサロンとは何か?
【報告者プロフィール】
清原 康毅(サロン委員長 / 株式会社ゼンリン マーケティング部 部長)
〈プロフィール〉
1998年に株式会社ゼンリン入社。企業や自治体への営業職を経験後、自動車会社への出向を経て2008年新設されたマーケティング部署に異動。2012年法政大学大学院経営学研究科マーケティング専攻を修了(西川ゼミ)、事業戦略や市場調査業務を経験後、2018年より現職。主にBtoBマーケティング分野のプロモーションと調査活動を統括。地図・地理好きに好評のゼンリン公式twitter(https://twitter.com/ZENRIN_official)の運用責任者も務める。
清原康毅です。本年4月から、マーケティングサロン委員長を就任しています。
所属は、株式会社ゼンリンという地図を製作販売している会社のマーケティング部長です。BtoBの企業ですのでそこまで知られていないかもしれませんが、地図業界ではそこそこの企業です。ただBtoBですのでマーケティングが強いわけでもなく、マーケティングの勉強を行うために法政大学社会人大学院に入学し、現在のマーケティング学会の学会長の西川ゼミに入りました。そのことがきっかけで、サロン委員になり、現在でも学会活動を続けている流れです。現在はマーケティング部で、BtoBマーケティングのプロモーション、調査を統括している部門の責任者です。
(1) – 1 マーケティングサロンとは何か
マーケティングサロンとは何かという話です。

2012年から月に1、2回程度開催している研究会です。東京のみではなく、大阪、名古屋、福岡、札幌の実務家を中心に、実務家の中でもサロン委員のメンバーが70名ほどいます。その70名で企画運営している会です。スライドの中で「スタート以来」と書いていますが、くつろいだ雰囲気の中でゲストを招いて、軽く飲食を行う形の会です。左下に写真を出していますが、このように昔の小学校の班のような形で、アルコールを置き、飲みながらゲストの話を聞き、ディスカッションを行っていました。
状況が変わったのは、コロナ禍です。コロナ禍になり、対面でのコミュニケーションができなくなり、オンラインに移行しました。2022年4月から対面を一部再開し、ハイブリッドの開催を行っていました。現在はハイブリッドの開催が多いです。参加費は、対面の場合は1000円、オンラインの場合は500円です。マーケティングサロンは、過去のレポートは全部公開しています。マーケティングサロンで検索すると、どのようなことをしていたのかが分かります。
(1) – 2 マーケティングサロン ピックアップ
どのような会があるのか、私が2年間で主催者側として参加した中でいくつかマーケティングサロンをピックアップして紹介します。過去2年間の中で、古いほうから紹介します。2022年1月13日、『YOASOBIから学ぶこれからのコンテンツマーケティング』です。

YOASOBIの仕掛け人の株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントの2人、屋代さん、山本さんを招いた会です。当時、YOASOBIが武道館で初ライブを行ったタイミングで、世の中では話題になっていた時期です。右側にあるように、なぜこのようなことが実現できたかというと、私たちのサロン委員に、白井さんという有名な人がいて、白井さんの紹介で株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントから来てもらいました。注目度も高く、オンラインではありましたが、100人の定員がすぐに埋まるほどの人気回でした。
そこでのトピックスを書いていますが、結構面白いです。YOASOBIのビジネスモデルがどのようなものかについての話がありました。主に入り口をしっかりとつくった上でマネタイズポイントをつくる考えでビジネスを構築しているそうです。相手のうれしいことが実行できるとマネタイズは後から付いてくるという考えです。
例えばご存じの人も多いと思いますが、大阪桐蔭高等学校とコラボレーションして、株式会社ユニクロの本社から配信ライブを行いました。これにより高校生のファンはもちろん、株式会社ユニクロの社員も喜び、話題性があることを実行することでメディアが取り上げてくれます。そうすると皆さんが興味を持ち、ファンになります。動画の再生数も上がり、ファンクラブの会員も増えました。そのように先にうれしいことをすることにより、売り上げをつくるというマーケティング思考に優れた2人の話だったと記憶に残っています。
次に、ネスレ日本株式会社のCM王の石橋さんを招いた会です。

1年と少し前の3月に開催しました。石橋さんはCM王ですので、そのような人が語る会は珍しいです。当時、マーケティング学会の常任理事であったことがきっかけです。ネスレ日本株式会社の話は、マーケティングのケーススタディーによく出てくるような、ネスカフェアンバサダー、キットカットの話をCM王から直接聞くことができた貴重な会でした。ネスレ日本株式会社が考えるマーケティングの定義は、マーケティングイコール顧客の課題解決であり、顧客は誰なのか、新しい現実の中で顧客が抱える課題とその解決策とは何か 、というネスレ日本株式会社の思考法があります。
例えばアンバサダーの話であれば、顧客ということで、コーヒーを飲む人、一般の消費者ですが、新しい現実として共働きの世代が増えてきました。家でコーヒーを飲む機会がどんどん減ってきたという課題です。その中で、職場では一方、良質なコーヒーがないという課題がありました。ではどのようなソリューションを提供するかを考えて、職場にそのようなコーヒーマシンを置けばいいのではないかという発想で、アンバサダーが発生したという貴重な話を聞くことができた回になりました。
次に、2023年1月です。この回から新型コロナウイルス感染症が少し落ち着き、リアルのサロンが開催できるようになりました。

サロンの価値は、リアルに顔を合わせることでしたので、2023年1月から再開しました。こちらでのテーマは面白いもので、『マーケターの教養としての「デジタルマーケティング史」』を題材として、株式会社博報堂の森永さんに来てもらいました。こちらは同じサロン委員である株式会社博報堂の岡田さんから、面白い本を書いた人がいるということで森永さんとつながることができました。タイトルに『マーケターの教養としての』と入れたのは、結構面白くなりました。興味深かった話はデジタルマーケティングの歴史は繰り返され、それを知っておくだけで戒めになるという話がありました。また、インターネットの発展により生まれてきた欲望を知れば、現在のアドテクノロジーが理解しやすくなるという話でした。
例えば、バナー広告ができて、バナーの出稿に手間が掛かる、そのようなこともあり、アドネットワークが生まれてきたなど、歴史上の欲望、課題を知っておけば技術の理解が深まるということで、『マーケターの教養としての「デジタルマーケティング史」』でした。こちらもテーマのタイトルがよかったのかどうかは分かりませんが、すぐに100名ほどの人に参加してもらった人気の回です。
下に書いてあるのは、企業で勤めている人であれば何となく分かると思います。デジタルマーケティングの歴史は下記のように繰り返されます。新しい手法が出てくると、それに皆飛びつきます。その手法を行えば、うまくいくという話になっていますが、実際にはうまくいかず、本質的な課題につながらなく、必ず廃れていきます。流行りの言葉で、SNSマーケティング、インフルエンサーマーケティングなど、言葉のみで行おうとしてもうまくいきません。やはり本質的な顧客の課題に向き合うべきだということが、こちらの回の話でした。
最後に、音部大輔さんです。「日本マーケティング本 大賞2022」のサロンです。

マーケティング学会は、年に1度『日本マーケティング本大賞』を行っています。本大賞1冊、準本大賞2冊の計3冊、授賞した人のサロンを行っています。音部さんのことを知っている人も多いと思いますが、有名な人で、サロンの中では最も登壇している人だと思います。
(1) – 3 マーケティングサロンの魅力
私は、2年間で4件ほど担当しましたが、これが何の魅力があるのかという話です。1つは学び、知的な刺激です。ゲスト自体の話はもちろん面白いですが、マーケティングサロン委員が、自分たちが面白いと考える人たちを連れてくることもあり、普段では聞くことのできない話が聞けることが一つの魅力ではないかと思います。例えば、政治家、銀座のママ、吉原散策など、普通では行わないようなテーマがあります。一方で、マーケティングの大家と言われるような先生方に来てもらえるところです。
2つ目は、やはり人とつながることができるのが魅力であると考えます。ゲストをはじめ参加者の多くの人がマーケティングの実務家です。サロンの場合は、特にリアルな場でいうと、参加者同士のコミュニケーションも可能ですので、そこで、知り合いができることが一つのメリットです。今回、この後に話をしてもらう町田さんもこのようなところで出会いました。学生時代からよく参加してくれていましたので、今回のような若手向けのことであれば町田さんに出てもらおうと思い、声をかけました。そのように人とつながりがあったからこそゲストとして参加してもらいました。
3つ目は、お勧めとしてサロン委員です。司会、受け付けは私たちサロン委員という企業の実務が行っています。サロン後に一緒に飲む機会があり、より深いつながりになることもありました。われわれは自虐的に言いますが、受け付けなどを行っているサロン委員は、基本的に社会人大学院、ビジネス教室を出た人たちが行っています。企業でもそこそこのポジションにいることもあります。そのような人たちが受け付け、司会、雑用業務を行っています。なかなかこのような機会はありません。ぜひ会場にいる人たちと接触してみると、思いがけない仕事をしている可能性があります。
今回、サロン委員が語るコーナーでは、凸版印刷株式会社の佐藤さん、アリナミン製薬株式会社の八尾さんからこの辺りの話を、魅力的な人ですので紹介したいです。
続いて、ぜひ学生に聞いてほしいと思います。就職、キャリア形成の中で、このようなサロンがどのように役に立つのか、若手の町田さんに語っていただきます。

