学会の歩き方(講演録)
リサプロ01

リサプロに参加しよう!リーダーに聞く、各研究会の特徴や、その活用法とは?

 

 
*内容は講演当時(2023年8月28日)の情報を含んでおります。その旨、ご了承ください。
 

(1)リサーチプロジェクトとは

 

司会:鷲田 祐一(リサーチプロジェクト委員長 / 一橋大学 大学院経営管理研究科 教授)

 
 リサーチプロジェクトの歩き方のセッションを始めたいと思います。 リサーチプロジェクトで既に何らかの活動をしている、交流があるという会員の方も多いかと思います。逆に、まだやっていない、あまり知らないという方もいますし、新しく学会に入られた方もいるでしょう。今回はせっかくの機会なので、リサーチプロジェクトは何か、どうすれば参加できるのか、どのようにすれば楽しいのかといったことを私が知る範囲でしっかりとご説明していきます。よろしくお願いします。
 

(1) – 1 リサーチプロジェクトとは何か

 
 最初に、リサーチプロジェクトとは何かについてお話しします。
 
 現在、開催中のリサーチプロジェクトは39個あります。非常に数があり、毎年新しいリサーチプロジェクトも生まれていて、これからもまだ増えていくのだと考えています。私自身も、この日本マーケティング学会が設立されたときからのメンバーです。設立時は、私もマーケティング・リサーチプロジェクトを1つ行っていました。約2年間、非常に良い活動ができたと自分では思っています。
 
 リサーチプロジェクトでは、研究したいという気持ちを反映する場を提供しているものなので、しかるべき手続きで、新しい研究会を立ち上げることが可能ですし、ある程度、一段落したと思ったら、終了することも可能です。
 
 マーケティング・リサーチプロジェクトのウェブページには、プロジェクトの一覧があります。順番に見ていくと、なかなか面白いです。
 
 アート・イン・ビジネス研究会。これはアートの話をしている研究会でしょう。そして、フードビジネス・イノベーション研究会、価値共創型マーケティング研究会と、他にもありますが、マーケティング上で非常に重要で話題になっている概念そのものをテーマにしている研究会も多いのが、このリサーチプロジェクトの大きな特徴です。ユーザー・イノベーション研究会。これもそうです。
 
 それから、医療マーケティング研究会は、ある分野、領域を設定して、そこについて徹底的に研究しようというタイプの研究会かと思います。アジア・マーケティング研究会もそうです。ある領域を決めて、そこについて研究するというものです。少し新しいタイプのものですが、マーケティングツールとしての知的財産研究会というものもあります。それから、オムニチャンネル研究会、ユーザーコミュニティとオープン・メディア研究会というものもあります。ナラティヴ・マーケティング研究会、デザイン思考研究会、プレイス・ブランディング研究会、サステナブル・マーケティング研究会、サービス・マーケティング研究会といったように、話題になるトピックについては、関連している研究会が必ずあると私はいつも感じていて、素晴らしいと思います。これだけ幅広い研究者の方がいらして、研究の仲間がそれぞれ集っているのは、非常に大きな武器ではないでしょうか。
 
 消費者行動と価格戦略研究会、マーケティング/PRテクノロジー研究会。ブランドマネージャー制度研究会は、これもなかなかスペシフィックです。AI×5G時代のビジネスモデル研究会、デジタルトランスフォーメーション研究会、ニューロ・サイエンスの流通マーケティング研究会、健康経営ブランディング研究会、サービス・マネジメント研究会、女性マーケティング研究会。AI研究会は、非常にストレートな名前です。健康アセット・マーケティング研究会。先ほど、健康経営ブランディング研究会もありましたが、健康アセット・マーケティング研究会もありますし、医療マーケティング研究会もあります。このように、少し似ていると思うテーマでも、執行部、事務局で内容を拝見して面白そうだとなると、それぞれ承認するということで進めてきました。互いの研究会でも交流したり、似たような研究会で比較することができたり、場合によっては共同で研究会を進めることも現実に起こっています。こういった点も、この学会の面白い部分だと思います。
 
 インダストリー・イノベーション時代のブランディング研究会、地域創生マーケティング研究会、エフェクチュエーション研究会は、理論系です。地域創生マーケティング研究会はかなり古い研究会だと記憶していますが、面白いです。ソロモン流消費者行動分析研究会も理論系です。宇宙航行マーケティング研究会は、なかなかユニークです。最初に申請されたときには、すごい時代になったと感じましたが、現在、アメリカのイーロン・マスクも次々と衛星などを打ち上げていますから、宇宙のマーケティングも現実味のない話ではなくなってきているのかもしれません。
 
 ブランド&コミュニケーション研究会。ヘルスケアビジネス研究会のように、ヘルスケア関連のものは多くて、3つ、4つあります。地域活性化マーケティング研究会、学びとマーケティング研究会。
 
 そして、最後の5つは、昨年度、今年度あたりに加わった、非常に新しい研究会です。ファッション・マーケティング研究会、wab3研究会、マーケティング教育研究会、カラータイプ研究会、生活世界中心のCX理解研究会。このように、合計39個、現在活動しています。
 
 それぞれの研究会の内容、参加可能かどうか等は、先ほどのページをクリックすると、ほとんどの研究会に代表者の先生や連絡先が書いてあるので、直接連絡して交流してもらえたらと思います。多くの研究会は非常にオープンな姿勢でいるので、次の研究会に来てくだされば、何か発表しませんかなどという交流が始まるのではないでしょうか。
 
 39個のリサーチプロジェクトというのは、ある意味、日本マーケティング学会の最大のパワーであり、かつ大きな財産であると考えています。皆さんも何らかの研究会に参加をしてみると、非常に良いでしょうし、志がある方は、研究会を新しく立ち上げたいと事務局、執行部に提案していいと思います。その際、学会員でないと研究会を立ち上げることができませんので、学会員の方で何人か話し合ってチームを作って、趣意書を書いて立ち上げるという段取りになります。
 
 もう1つ、大事なポイントが、年に1回行うカンファレンスです。今年も10月に予定されていて、いろいろなご案内が届いたり、締め切りが先日終了したりと、非常に忙しい時期になっています。このカンファレンスの午前中に、リサーチプロジェクト・セッションと呼んでいますが、毎年、リサーチプロジェクトが主催するセッションが多く実施されます。こちらは先着順というか、全部のリサーチプロジェクトが発表できるわけではありません。事前に申請があって、内容が面白いと承認されると、リサーチプロジェクト・セッションというものが午前中に開催されます。これはそれぞれのリサーチプロジェクトのリーダーが司会者になって、メンバーあるいはリサーチプロジェクトとして招いたゲストの研究者と、学会形式で研究の発表を行って、皆さんで吟味するという会です。どの研究会が面白いか、直接アクセスするには機が熟さないと思う人は、ぜひ、10月のカンファレンスの午前中のリサーチプロジェクト・セッションに出てみてください。今年は法政大学でリアル開催をしますので、教室に来てもらえれば、誰でも座って聴くことができます。聴いてみて、雰囲気を感じてみて、参加について考えてもいいかと思います。学会なので、他のリサーチプロジェクト・セッションにも参加して、途中で退席して、違うリサーチプロジェクト・セッションを見に行くことができます。吟味して選んで見てもらってもいいのではないでしょうか。
 
 これがリサーチプロジェクトの仕組みの大まかな点です。本日はせっかくなので、その中から3つのリサーチプロジェクトについて、3つのリサーチプロジェクトの代表者の方に10分程度、そのプロジェクトの魅力や特徴を語ってもらいます。私としては、今のマーケティングを語る上で、非常に面白いと考える3つです。

 
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