| リサプロに参加しよう!リーダーに聞く、各研究会の特徴や、その活用法とは? |
- (1)リサーチプロジェクトとは
- (2)リサーチプロジェクトの紹介 ①デザイン思考研究会
- (3)リサーチプロジェクトの紹介 ②アジア・マーケティング研究会
- (4)リサーチプロジェクトの紹介 ③ブランド&コミュニケーション研究会
*内容は講演当時(2023年8月28日)の情報を含んでおります。その旨、ご了承ください。
(2)リサーチプロジェクトの紹介 ③ブランド&コミュニケーション研究会
鷲田 今回はブランド&コミュニケーション研究会の上智大学の杉谷先生にお越しいただきました。それでは、ブランド&コミュニケーション研究会について、ご紹介をお願いいたします。
杉谷 よろしくお願いいたします。上智大学の杉谷陽子です。このブランド&コミュニケーション研究会のリーダーを2021年度から務めています。本日は、われわれのブランド&コミュニケーション研究会がどんな研究会なのかを短い時間ですが、ご紹介します。ぜひ、多くの皆さんに関心を持ってもらって、ご参加いただければと願っています。
(4) – 1 研究テーマ
杉谷 それでは最初に、この研究会がどのようなテーマに取り組んでいるかを簡単にご紹介したいと思います。このスライドは、ウェブサイトに掲載されている情報を写してきたものですから、それほど新しい情報ではありませんが、ブランド&コミュニケーション研究会の概要です。このような目的で、研究会を行っています。

杉谷 そもそも、日本マーケティング学会は研究者と実務家が集ってディスカッションしていくという点が大きな特徴で、非常に良い面だと思っています。そして、この研究会でも学術的な議論と実務的な議論を融合させていくということを目指しています。
テーマはブランド&コミュニケーションで、この二つを掲げています。マーケティング活動でブランディングが全く関係ない、あるいはコミュニケーションが全く関わりがないというトピックを探すのが難しいぐらい、この二つは重要ですし、根底でいろいろな部分に関わってくるトピックでもあるのではないかと思います。われわれの研究会では、このトピックにフォーカスして、それ以外は扱わないというような限定の仕方をせず、さまざまな視点からディスカッションしています。これまでの実施してきた研究会のトピックも非常に多様です。議論の対象は、必ずしもブランドの中心にあるトピック、コミュニケーション論そのものでもなく、さまざまな部分に派生していって、そのトピックを扱うということが目的になっています。一方で、研究者が非常に多く所属していて、最近の学術領域でマーケティング研究がどのように展開しているかに関して、かなり高度で専門的なディスカッションができることも強みだといえる研究会ではないかと思っています。
鷲田 日本マーケティング学会の設立当初からある研究会です。
杉谷 そうです。先に述べればよかったですけれども、田中洋先生が日本マーケティング学会の創設されたタイミングでこの研究会を立ち上げて、初代のリーダーを務められました。私は3代目です。青山学院大学の久保田進彦先生が2代目リーダーを務められて、その後、私が引き継いだという形ですので、歴史が長い研究会ということも特徴かもしれません。
(4) – 2 特徴・楽しさ
鷲田 ありがとうございます。具体的な研究会の特色、楽しさについてはいかがですか。
杉谷 どの研究会も同じことがいえますが、研究者と実務家が共に所属していることは、ディスカッションを深めていくために重要な点だと思っています。私たちのブランド&コミュニケーション研究会のメンバーは、図の通り、さまざまな年代のメンバーが参加しています。

杉谷 同じマーケティング領域で活躍しているメンバーでも、研究分野の細かい点では違いがありますので、それぞれの知見を持ち寄って議論を行っています。マーケティングはご存じのように、アメリカを中心として発展してきたという経緯もありますので、海外の学会でも活躍しているメンバーも数多く存在します。最新の知見をディスカッションしていくという点も、この研究会の一つの面白さであり、強みになっています。しかし、研究者たちが非常にマニアックで高度な議論を行っているように見えてしまってはいけないと考えています。
(4) – 3 研究会やシンポジウムなどの活動状況
杉谷 これまでの研究会の内容をご覧ください。

杉谷 さまざまな方をお招きして、ディスカッションを進めています。主に学術的な領域で方法論が発展しているといった高度な議論をするというより、学術的な議論をどのように実務の世界に適用できるかということを中心に話を進めています。いろいろな新鮮な情報を学者の立場から、実務家の立場から、発見できるような研究会の運営になっているのではないでしょうか。
鷲田 面白いです。結構高い頻度で、研究会を実施しています。
杉谷 年に2回か3回の頻度で研究会を実施しています。日本マーケティング学会全体のマーケティングカンファレンスの大会があります。2021年度、2022年度は、そちらに一つセッションを設けました。加えて、さまざまな方をお招きする形で研究会も開催しています。メンバーが登壇している回もあります。
鷲田 ありがとうございます。研究会の特色などについて、最近の研究会の面白いトピックなど、何かありますか。
杉谷 最近のマーケティングで、いろいろと注目されている重要なキーワードやテーマがあると思います。一つはデジタルといいますか。AIも含めて、新しい技術がマーケティングにもたらされてくるという中で、どう捉えていけばいいのかというトピックは、われわれの中でも一つのホットトピックとしてディスカッションを深めてきました。昨年6月に行った「ブランド戦略トーク・セッション」、あるいは8月に行った「新しい消費と新しいマーケティング」など、新しい視点の話を熱心に実施しています。
また、昨年6月の研究会を契機として、ブランド&コミュニケーション研究会のメンバーと一部、外部の先生で本を出版しました。ぜひ、こちらを宣伝させてもらえたらと思って、情報を少しだけ持ってきました。株式会社有斐閣から出版の『デジタル時代のブランド戦略論』という本です。ブランド&コミュニケーション研究会の初代リーダーを務められた田中洋先生が編者という形で、こちらに示したようなブランド&コミュニケーション研究会の企画運営のメンバーとして参加している教員、あるいは実務家の方たちが執筆陣です。この本は最終段階で、今年の秋か冬に発刊予定です。この研究会で、ここ1年、2年、ディスカッションを深めてきた内容をまとめたものになっているので、ぜひお手に取ってもらえたらありがたいです。
もう一つは、これからの新しい時代のマーケティングの考え方といったらいいでしょうか。例えば「サステナブルな社会に向けたブランド・コミュニケーション」という研究会を昨年3月に実施しました。昨年10月に行ったマーケティングカンファレンスでは、価値共創時代と書いていますが、その中の一つのヒューマニティというキーワードをベースとして、これからブランドが変わっていくという議論をしました。もちろん、企業が利益を上げていくことは企業の成長するために非常に重要です。しかし、これからはもう少し消費者の幸福感や社会全体の幸福に目を向けて、企業がマーケティング・コミュニケーションで何ができるかということもテーマとして注目しています。最近ではそういった方向の議論もわれわれの中で注目して行ってきました。
鷲田 ブランドというと人によっては、どうしても高級な化粧品といったいわゆるブランド商品を思い浮かべます。そういうことだけにこだわっているわけではなく、企業戦略全体の話、社会課題の話を多く扱っているように感じますけれども、そのようなトピックが多いですか。
杉谷 そうです。私も大学で教えていて、ブランドという言葉を最初に学生さんに伝えたときには、いわゆる高級ブランド、ヨーロッパ発のラグジュアリーな商品のことをブランドと呼ぶのかと思っていたといわれました。そして、その考え方が変わりましたといわれることが多いです。ブランドという概念は、非常に大きな概念だと思っています。プロダクト、サービスももちろん、そうです。もっと企業ブランディングのような形で、広い概念として、これから企業がどちらに向いていけばいいのか、あるいは消費者行動がこれからこう変わるので企業もそちらを向かなければいけないといった、大きな概念で研究会のテーマを捉えているメンバーが非常に多いです。
鷲田 ありがとうございます。
(4) – 4 学会員が参加を希望する場合
杉谷 この研究会でこれからお話をお願いしたいと考えている方たちは、われわれがぜひお話を聞きたいと思ってお招きする先生も多いですが、一方で構成メンバーから自社の方向性についてアドバイスがほしいという形で最初は研究会に参加してくださった方からディスカッションが広がっていって、後に登壇をお願いするといったようなケースも次々と出てきています。ぜひ、関心を持った方がいましたら、オープンな研究会ですので、お声掛けをしてもらって、もしよろしければゲストとして講演をしてもらうといったお願いもできたらと思っています。興味がある研究者と1対1で話をするという機会はなかなかつくりにくいかもしれませんが、研究会に参加する、あるいは研究会の中でゲストとして登壇するという形で参加してもらえたら、思ってもみないような発見がお互いにあるのではないでしょうか。ぜひ、興味を持ってもらえましたら、お気軽にお声掛けいただければうれしいです。
参加を希望される方は、研究会が企画されたら、ウェブサイトに告知するので、その研究会に参加して、様子を見てもらう、個別にお声掛けしてもらうという形でアプローチしてもらうのが最もスムーズかと思います。直接、メールするということでも構いません。できれば、最初は雰囲気を見てもらえたらありがたいです。
鷲田 ありがとうございます。書籍がちょうど出版された頃に、書籍を持って研究会に参加するとサインしてもらえるかもしれません。
杉谷 確かにそうです。私はあまり本にサインをしたことはありませんが、メンバーの先生がたには有名な先生も多いので、素敵なくずし字のきれいなサインをしてくれるかもしれません。
鷲田 出版記念のイベントの予定はありませんか。
杉谷 開催したいとは思っています。具体的な日程などは決まっていませんが、本の内容を簡単に理解してもらえるような宣伝も兼ねてご紹介させてもらえるセッションを考えていて、 カンファレンスの機会とは別に1回、作って、皆さんとディスカッションしたいと思っています。本の発売前後あたりでウェブサイト等で告知したいと考えていますので、関心がありましたら、ご参加いただけたらうれしく思います。
鷲田 ありがとうございます。それでは、ブランド&コミュニケーション研究会のご紹介を終わります。杉谷先生、ありがとうございました。
杉谷 いろいろな方を歓迎したいと思っていますので、これはブランドではないとか、これはコミュニケーションではないかとかというふうに思わずに、広く皆さんにご参加いただければと考えています。
鷲田 ありがとうございました。

